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小学校受験の基礎知識 vol6「関西エリアの私立学校の特徴④ 英語·国際教育、思考力 問題解決力の育成」

2023年03月17日

関西エリアの私立学校の特徴 ④

英語·国際教育、思考力 問題解決力の育成

国の方針として英語教育を強化することを vol1で挙げました。

ここで少しおさらいすると、2020年度から全面施行された新学習指導要領では、小学校3・4年生は新たに年35単位(週1時間程度)の外国語活動が追加され、5・6年生では、英語を教科として設定し、授業時間数をこれまでの年35単位(週1時間程度)から年70単位(週2時間程度)に増やしました。英語教育と並んで、「思考力・判断力・表現力」の育成も、国の重点項目となっています。

私立小学校では、ほとんどがすでに1年生から英語の授業を行っています。英語教育の長い蓄積を持つ学校も多くあります。1952年の創立当初から英語教育を展開する帝塚山小学校では、1年生から週2時間の授業を実施するほか、毎朝15分間の英語モジュール学習を行っています。授業は少人数制の採用や、ネイティブ教員と日本人教員のティームティーチングで実施するなど、早期から手厚い英語教育を行っています。
また、国際教育として海外研修旅行を実施する学校も増えています。

「英語モジュール学習」帝塚山小学校

「英語モジュール学習」帝塚山小学校

教育法も学校それぞれの創意により、独自色豊かなものになっています。四條畷学園小学校では、英語教育の長年の蓄積をもとに実践的な授業を行っています。ネイティブ教員による長めの英文をどんどん聴き、「分かる言葉」をつなぎ合わせて全体の意味を考える――これを1年生から行います。加えて希望者対象に、英語音韻知覚訓練教室や英会話教室を放課後に実施します。

「英語教育」四條畷学園小学校

「英語教育」四條畷学園小学校

はつしば学園小学校では、英語を第二言語として学ぶ子ども達のために作られた教材「GrapeSEED」による英語教育を展開。「英語で聞いて、英語で考え、英語で伝える」をコンセプトに、「聞く・話す・読む・書く」の4技能をバランス良く身につけることを目標とします。1年生から年間120時間の授業時間を確保し、授業はネイティブ講師がオールイングリッシュで実施します。立命館アジア太平洋大学の留学生と交流する修学旅行やレシテーションコンテストなど、英語体験学習や国際教育も充実。全員受験の英語検定では、3年次で8割以上が資格を取得しています。

「『GrapeSEED』による英語教育」はつしば学園小学校

「『GrapeSEED』による英語教育」はつしば学園小学校

創立時より英語教育に力を入れている小林聖心女子学院小学校では、1年生から週2時間、1クラスを2分割し、ネイティブ教員と日本人教員によるオールイングリッシュの授業を展開。1年生から音とアルファベット文字の関係が分かるフォニックスを学びながら、中学年以降はリーディングにも入っていきます。系列高校で受け入れている留学生との交流も多く行い、「ジャパン·フェスティバル」では小学生が留学生たちに、生け花や着付け、お茶と和菓子、コマ回し、屋台の射的など日本文化を楽しく紹介するワークショップを開きます。

「ジャパン·フェスティバル」小林聖心女子学院小学校

「ジャパン·フェスティバル」小林聖心女子学院小学校

同志社国際学院初等部では、日本語と英語のバイリンガル育成をめざして、さまざまな教科を英語で学びます。母語である日本語を基盤として、その上で英語の力を育てていくという考え方のもと、6年間を通じてすべての授業時間のそれぞれ半分を英語と日本語で実施します。

「英語教育」同志社国際学院初等部

「英語教育」同志社国際学院初等部

思考力や表現力、課題解決力の育成も、すでに力を入れて行っている私立学校が少なくありません。関西大学初等部では、思考スキルを身につけ、論理的・多面的に考える力を育てる独自の教育法を開発。「ミューズ学習」の時間として、各学年で年間12時間設置し、思考力を育成しています。

小林聖心女子学院小学校では、総合的な学習の時間を「ソフィータイム」と名付け、学校図書館の活用や、校外での体験学習を行いながら調べ学習を行います。この学習によって、思考力や表現力、課題解決力を高めます。

このように、様々な方法で独自の授業を行っている私立小学校が沢山ありますので、ぜひ学校説明会に足を運んだり、学校パンフレットをご覧いただき、お子さまに合った教育をしている学校を見つけてください。
 

次回のvol7では、引き続き「関西エリアの私立学校の特徴」として、”女子校・宗教教育を行う学校” をご紹介いたします。