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小学校受験の基礎知識 vol1「小学校教育の未来~21世紀社会を生きるために必要な力を養う~」

2022年12月15日

小学校教育の未来~21世紀社会を生きるために必要な力を養う~

グローバル社会を生きる力

小学校への入学を控えるお子さんの10年後、20年後は、どのような世界になっているでしょうか。
21世紀はかつてない変化の激しい時代といわれています。グローバル化・情報化がますます進み、国境を超えた人々の交流や文化・政治・経済活動は今よりもさらに広がっていくに違いありません。そのなかで世界規模の課題も次々と生じることが予想されます。ビジネスの世界も目まぐるしく変化し、それに合わせて新たな人材が求められ、雇用の流動化がさらに進むことでしょう。
一方、日本に目を移すと、少子高齢化、生産年齢人口の急減、労働生産力の低下など厳しい時代を迎えており、子どもたちの未来は不透明感を増すばかりです。

国では、こうした状況をふまえ、21世紀のグローバル社会をたくましく生きる力の育成に乗り出しています。
小学校から大学まで、さまざまな教育改革が進められていて、これから小学校に入る子どもたちは、まさに新しい”21世紀型の教育”を受けることになります。

グローバル化に対応する教育とは?

その1「自ら考え、判断し、表現する力」の育成

国では、グローバル化に対応する教育を大きく打ち出し、それに基づいて小学校の教育目標として次の3つを掲げています。

◆基礎的な知識および技能
◆知識·技能を活用し、自ら考え、判断し、表現する力
◆主体的に学習に取り組む意欲

以上の目標は、中学校、高校も共通です。3つの目標のうち、特に重視されるのが「自ら考え、判断し、表現する力」 です。これは、基礎力の次の段階となる応用力・活用力に当たります。
学校では基礎力重視の教育が行われてきましたが、これからは応用力育成に重点が置かれ、教科書で習った基礎 基本をもとにして、自ら考えるカや、表現する力を身につけることが大切になります。

こうした力を育てるために、今後の授業では、子どもが身につけた基礎的な知識・技能を、自ら活用する学びが増えます。たとえば、観察,実験やレポートの作成など。

また、教科を横断した課題解決的な学習や、探究的な活動も増えます。これは、子どもが各教科で身につけた基礎的な知識・技能を、自ら総合して課題に取り組む活動のことで、すでに総合的な学習の時間で行われています。今後はこうした活動がさらに重視されるようになります。

その2「英語教育」の強化

グローバル化に対応する教育として、「自ら考え、判断し、表現するカ」とともに国が推進するのが、英語教育です。2020年度から全面施行された新学習指導要領では、小学校3・4年生は新たに年35単位(週1時間程度)の外国語活動が追加され、5・6年生では、英語を教科として設定し、授業時間数をこれまでの年35単位(週1時間程度)から年70単位(週2時間程度)に増やしました。
中学校では、英語の授業は「英語で行うこと」を基本とし、高校では加えて英語による発表や討論なども行うことをめざしています。

以上のように、小学校から高校、さらに大学まで英語教育が強化され、特に小学校~高校では、英語での「コミュニケーション能力」の育成に力点が置かれるようになります。
英語教育の開始年齢も現在より早められ、さらにこの先、小学校低学年からの英語教育も検討されることになるのではないでしょうか。

2020年度より大学入試が変更に

これから小学校に入るお子さんには、まだ遠い将来のことになりますが、2020年度より大学の入試が大きく変わりました。
新しい入試では、現行の大学入試センター試験に代わり、「大学入学共通テスト」がはじまりました。このテストでは、先に示した小学校の3つの教育目標のうち、「基礎基本の知識・技能」に加え、特に応用力としての「思考力・判断力・表現力」を問うものです。英語はライティングやスピーキングを含む4技能が重視されてます。これまでの知識暗記型の大学入試から、応用力·活用力を見る入試へと転換されました。
以上みてきたように、日本の教育は大きな転換期を迎えています。学齢期を迎えるお子さんの教育について、小学校・中学・高校、そして将来の社会像など、長い目を持って考えていくことが大切になるでしょう。

 
次回のvol2では、「私学の魅力、よさを知ろう」として、”私立学校の特徴” をご紹介いたします。

 
●写真でご紹介している学校

「楽しく自然に英語を学べる環境」
 帝塚山学院小学校 >詳細はこちら

「予想・討論・実験で展開する理科授業」
 四條畷学園小学校 >詳細はこちら

「国際教育~修学旅行にて留学生との交流活動~」
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