取材レポート

城南学園小学校

英語教育がさらに充実。プログラミングもスタート。

21世紀の未来社会に生きる力を育む城南学園小学校。英語教育のさらなる充実をめざして、新たな歩みが始まっています。
プログラミングも導入開始。学校の取り組みについてお話をうかがいました。

城南学園小学校 教頭 河岡 秀典 先生のお話

城南学園小学校 教頭 河岡 秀典 先生のお話

英語教師を増員、授業数も増やす

本校では、手厚い指導体制のもと英語教育を行っています。低学年の授業は、ネイティブ教員2名と担任の3人体制です。2018年度は、中高の英語科の教員免許を持つ日本人教員を新たに迎え、日々研鑚に励んでいます。全員一斉に教えたり、グループに分けて教えたり、さらにネイティブ教員と1対1で練習したりするなど、柔軟に、そして効果的に授業を進めています。フォロー役は、子ども一人ひとりをよく知る担任。子どもたちにまんべんなく目配りします。3年生以上の授業は、ネイティブ教員と日本人教員によるティームティーチングです。

教員の増員にともない、5・6年生の英語の授業を週3時間に増やしました。うち1時間分は、週4回・15分間のモジュール学習にあて、通常の授業も含めて毎日英語に触れるようにします。1~4年生の授業は週1時間です。

低学年~中学年は「聞く・話す」をしっかりと

ボリュームアップした英語教育により「聞く・話す・読む・書く」の4技能の向上をめざします。そして、さらに進んで養っていきたいのが、「英語で考え、英語で表現する」ための基礎力です。

まず、低学年~中学年は、「英語が楽しい」と思えることがなによりも大事です。特に低学年は初めにお話ししたようにネイティブ教員2人+担任が授業を担当し、歌やダンスなどアクティビティーを多く取り入れて英語をリズミカルに体験しながら、「聞く・話す」の訓練をしっかりと行います。語彙が少しずつ広がっていくのは中学年から。扱う文章も長くなり、「読む・書く」の学習も徐々に増えていきます。

高学年は4技能の学びを

高学年は4技能の学習を進めます。たとえば、5年生の授業では、英語による質問を聞き取り、プリントの空欄を英語で埋めていきます。ここで単に聞き取りだけを練習するのではありません。教員は複数の単語カードを示し、それに関連した質問などを投げかけるのです。クイズ形式のように進めるので、子どもたちも楽しみながら学ぶことができます。まず質問を聞き取り、次に単語カードを読み取ったうえで、質問の答えとなるものをカードから探し出します。それを口頭で答え、最後にプリントに書き入れるといった学習の手順を踏んでいくのです。

このような授業によって、4技能のすべてを関係づけながら学んでいくことができます。さらに工夫し、「英語で考える・表現する」ための学びも行っていこうと考えています。クイズやゲームなどを取り入れ、子どもが取り組みやすくすることがポイントですね。

ICTも有効活用

高学年では、次第に文法面にも目を向けるようにしていきます。本格的な文法の学習は中学からですが、いろいろな生活場面を設定し、ペアを組んで質問の仕方や答え方をセットで練習するなどを通して、易しい構文も自然に身につけられるよう工夫しています。易しい構文も自然に身につけさせます。

ICTも英語学習には大いに有効です。たとえば、電子黒板にアニメなどの動画をアップして発音練習を行います。映像などでリアルに学ぶことも必要です。そこで、英語圏に限らず世界各国の小学校を紹介する映像などを見せ、英語の解説を聞き取る練習をします。子どもたちは興味を持って楽しく学んでいます。

授業はオールイングリッシュで

授業は基本的にオールイングリッシュで行い、子どもたちはほぼ聞き取ることができています。日本人の英語教員はもちろん、ネイティブ教員も日本語が上手で、本校の子どもたちのことをよく理解しています。子どもの表情や反応を読み取り、教室内を回って一人ひとりをサポートするので、困っている子どもを置いて行くことはありません。また、ネイティブ教員はとてもフレンドリー。休み時間も校内を回り、子どもたちと親しく会話を交わします。

基礎の定着も重要です。モジュール学習では、アルファベットや単語を書く練習や、ICTを活用した聞き取り訓練などをくり返しながら基礎を養います。通常の授業でも大切にするのは子どもの理解度に応じて教えること。4つの技能それぞれにウェイトを置いて丁寧に教えるなど、子どもたちに合わせて無理のないように進めていきます。

本校の子どもは学ぶことに積極的です。英語の授業でも、先生の質問に積極的に手を挙げる姿が見られます。間違えたら考え直してまた挙手するなど、めげずに前向きなのが本校の子どもたちです。あきらめないこと、挑戦することの尊さ、そして学ぶ喜びを、本校ではさまざまな機会を通して教えています。

体験を通した英語学習・異文化交流

体験を通した独自の英語学習にも力を入れています。その一つが、1年生の「総合学習発表会」のなかで行う英語表現です。『不思議の国のアリス』などの物語をもとにした英語劇、ミュージカル、ダンス、歌などその年によっていろいろな体験活動を通して英語表現にチャレンジします。この日のために、子どもたちはネイティブ教員とともに一生懸命練習し、当日は保護者のみなさんの前で発表します。

1~4年生の「英語体験学習」も本校ならではの教育です。外国人の方々を学校に招いて、子どもがグループごとに英語でインタビューして回ります。ネイティブ講師ではなく、日本で暮らす一般の外国人を招くのが特色です。ヨーロッパやアメリカ、アフリカ、アジアなど、世界のさまざまな国・地域から来日した方たちと直接交流し、生きた英会話を体験するとともに、異文化に触れる機会になっています。

20年の実績がある「英語校外学習」

5・6年生で行う「英語校外学習」は、すでに20年間続いています。学校を飛び出し、そこで出会った外国の人たちにインタビューするという、子どもたちはドキドキ・ワクワク、私たち教員はハラハラする活動です(笑)。これまで関西空港や奈良の東大寺などさまざまな場所に出かけました。現在は、大阪城で実施しています。

外国人観光客が急増するなか、大阪城には連日大勢の人たちが訪れます。しかも、アメリカやイギリス、アジア諸国はもちろん、カナダ、フランス、アルゼンチン、サウジアラビアなど、近年では旅行者の国籍がバラエティに富んでいます。それが長年「英語校外学習」を続けてきた私たちの実感です。子どもたちには、まさに世界の人々と触れ合うことのできる有意義な機会となっています。

大阪城でHello, nice to meet you !

「英語校外学習」のために、子どもたちはネイティブ教員から英会話の特訓を受けます。そして、担任から「あなたたちは日本の代表となるのです。礼儀正しくしましょう」と心構えを教えられ、いざ5月の本番を迎えます。

「Hello, nice to meet you.」「Can we ask you some questions?」子どもたちは勇気を出して呼びかけます。そして、「日本に来たことはありますか?」「日本の好きな食べ物は何ですか?」「日本の人物で、だれを知っていますか?」など、ネイティブ教員に応援してもらいながら練習の成果を発揮します。

観光客の方は、みなさんとてもフレンドリーです。「日本のことをどう思いますか?」という質問には、多くの方が「美しい国」「親切な国」と答えてくれて、子どもたちも嬉しくなります。インタビューのお礼に、折り鶴と、その折り方を書いた用紙と和紙をプレゼント。子どもたちが用意したものです。観光客の方はとても喜び、いっしょに記念写真を撮ったりして楽しく交流します。子どもたちはこの体験を通して、「もっと上手に話したい」「もっと聞き取れるようになりたい」と意欲を高めています。

クラブ活動でプログラミングがスタート

本校では、4年生以上のクラブ活動として、ドッジボール、バスケットボール、書道、将棋・オセロ、科学、器楽合奏など10クラブを実施しています。そのうち「パソコンクラブ」では、2018年度よりプログラミングをスタートさせました。プログラミング専用のタブレット端末も新たに設置しています。

パソコンクラブは希望者が多く、プログラミングも男女ともに人気です。定員20名いっぱいとなっています。現在、子どもたちは最新の教材を用いてロボット・プログラミングに取り組んでいるところです。今後は、授業での学習を見据えて準備を進めます。

未来の社会で花を咲かせるために

グローバル化や情報化、AIの発達など社会の急速な変化にともない、教育も大きく変わろうとしています。国は2020年度より、小学校中学年から英語学習をスタートさせ、高学年の英語はこれまでの「外国語活動」から「教科」へと昇格させることを決めています。また、プログラミング教育も2020年度より小学校で必修化されます。

こうした新しい教育には、当然新しい人材と教材が不可欠です。本校では私立校として、公立をはるかに上回る充実した教育体制を築いており、英語もその例外ではありません。英語カリキュラムも、新しい教師陣により現在更新中です。また、プログラミングについても、教材の充実化を含め、授業での導入を図っていきます。そしてこれからも、子どもたちが20年後、30年後に社会のなかで花を咲かせるために、未来に生きる力を育みます。

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