取材レポート

百合学院小学校

学童保育「ナザレトクラブ」がリニューアル。子どもの可能性をひろげ、保護者のニーズに応える放課後の過ごし方。

私立小学校としてはいち早く、学童保育「ナザレトクラブ」を運営してきた百合学院小学校。ナザレトクラブが20周年を迎える今年、保護者のニーズと時代に求められる教育の2つの視点から見直し、大きくリニューアルしました。安心安全な放課後の生活と、働く保護者の方に寄り添う仕組みについて、大石温子校長先生とナザレトクラブ担当の柴田美香子先生にお話をうかがいました。

百合学院小学校 大石温子校長先生・柴田美香子先生のお話
大石温子校長先生

大石温子校長先生

百合学院小学校 大石温子校長先生・柴田美香子先生のお話

子どもの可能性がひろがる充実した選択プログラム

ナザレトクラブのリニューアルを担当された柴田先生は、この度のリニューアルの大きなポイントとして「選択制プログラム」を挙げられました。子どもたちはナザレトクラブで宿題や課題をしたり、お友達と遊んだりしながら放課後を過ごしますが、曜日ごとに複数のプログラムが用意されており、習いごととして取り組むことができます。

月曜/工作・絵画、バドミントン
火曜/そろばん・英語教室(レプトン)
水曜/体操・英語教室(レプトン)
木曜/華道・茶道、フラダンス
金曜/プログラミング、書道

子どもたちは9つのプログラムの中から、自分の好きなプログラムを選んで受講できます。好きなこと、興味があることだからこそ、熱心に取り組む姿がみられるそうです。「小学校の間は幅広く経験をして、自分の可能性をどんどん広げてほしい」と大石校長先生は話されます。どのプログラムも人気で、1日に2つ習ったり、毎日違うプログラムにチャレンジしたりと、意欲的なお子さんが多いそうです。自宅から通う習いごとの場合は、保護者が送迎するか、ひとりで通うことになりますが、ナザレトクラブでなら学校内での活動のため、安心と安全が確保できます。また、1プログラムが1カ月3000円(預かり料金込み)と、良心的であることも保護者のニーズへの配慮とのことでした。

アンケートで保護者のニーズを丁寧にヒアリング

柴田先生を中心に1年前からリニューアルに向けて準備をしてきた中、大切にしたのは保護者の思いです。リニューアルまでに保護者へ数回のアンケートを実施し、プログラムへの要望だけでなく、預かりの時間帯や、スクールバスの運行時間など、丁寧に見直しました。その結果、「保護者からのリクエストにできるだけ応えられるよう、また子どもたちが安心安全に楽しく活動できるスタイルにたどり着けた」と話されます。

保護者からのリクエストが多かった送りのバスに関しては、17時に加えて18時にも運行することになりました。また最長19時まで延長できるため、仕事の都合など、保護者のライフスタイルに対応できるようになっています。今年度は試験的に土曜日もナザレトクラブを実施。夏休みなどの長期休業中は、普段利用していないお子さんも利用可能とし、希望すればお弁当も注文できるなど、年間を通して手厚くフォローしています。

また、保護者リクエストからスタートしたプログラムの一つに、土曜日の親子プログラムがあります。コロナ禍ではありますが、感染予防を徹底し、1学期にはレザークラフト教室が開かれました。なかなかお出かけしづらい状況のなか、お子さんと一緒に手芸に没頭することで、保護者の方にもリフレッシュのひと時になったとか。いずれは親子で参加できるアウトドア体験なども企画したいと、柴田先生は意気込んでいらっしゃいました。ナザレトクラブの可能性もますます拡がっている様子です。

「預かり」の時間は、宿題やお友達との楽しいひと時

現在、1年生は全員、学校全体の3分の2の児童が利用しているナザレトクラブ。私立小学校の場合、それぞれの家庭に距離があるため、放課後に学校のお友達と一緒に遊ぶことが難しいこともあります。その点、ナザレトクラブは、学校内で安心して放課後をお友達と一緒に過ごすことが可能です。異学年との交流もできます。「ただいま」と元気にナザレトクラブに入ってくる子どもたちの明るい声が、雰囲気のよさを表していました。

ナザレトクラブの指導員は小学校教員免許を持っているスタッフや、大学生のボランティア。学校の宿題に関しても、理解が深まるように指導します。また心の成長も大切にしています。学年に関係なく過ごすひと時は、学校とはまた違うアットホームな雰囲気。そのため、担任の先生や保護者には話しづらいことでも、ナザレトクラブの先生になら話せるというお子さんもいるそうです。学校や家庭以外にも、自分の本心が出せてくつろげる場所があることは、子どもの心の安定につながりますし、保護者としても安心です。

オールインスクール―家庭と学校と学童保育の三位一体で、温かな子育てを

学童保育として20年取り組んできた中、保護者の働く環境が大きく変化し、共働き家庭の増加とともに、帰宅後に一人で長い時間を過ごす子どもが増えています。今回の保護者アンケートでも、「放課後の安心安全」への思いが強く感じられたそうです。ナザレトクラブのモットーは「All in School」。安心安全な学校で、習いごとやお友達との遊びなどのすべてが可能になることです。

大石校長先生は「ナザレトクラブは、本校のホームメード学童保育。すみずみまで教職員が保護者と連携しながら運営しています。保護者と学校、ナザレトクラブの3つが温かな絆で結ばれて、子どもたちの成長を支援していきたいと考えています。学校生活は大切ですし、放課後は子どもたちにとっていろいろな経験ができる貴重な時間です。6年間の放課後の時間を有意義に使うことで、子どもたちの可能性がひろがり、子どもたちの将来は大きく変わっていきます。「オールインスクール」で子どもたちの放課後の時間をかけがえのないものに。これからもナザレトクラブを中心に、子どもたちの可能性をひろげる教育を展開していきます」と話してくださいました。

選択制プログラムでは、百合学院のネットワークを活かして、専門の外部講師や中学高校で指導する教員がプログラムを担当します。子どもたちがチャレンジしたい気持ちを支援し、「好き」の気持ちを育む指導が行われています。幅広い経験のなかで、社会の幸せに貢献できる女性に育ってほしいという本校の教育目標とのつながりが感じられました。

百合学院小学校には系列大学はないものの、高校まで進学した場合、指定校推薦が非常に多いため、自分の夢や目標にあわせた大学進学も可能とのこと。小学校やナザレトクラブからスタートした学びや習いごとが、中学・高校と広がり、将来の進路につながるというイメージを持って小学校受験を考えていただければと、大石校長は締めくくられました。

まとめ

「放課後の過ごし方」を考えた時、習いごとや塾の送迎は保護者の役目であることがほとんどです。高学年になれば、子どもが自分で通えることもあるかと思いますが、ナザレトクラブのように安心安全な場所で受講できることは、保護者の安心でもあることを感じました。選択制プログラムは、仲良しのお友達と一緒に気軽にチャレンジできることも、はじめの一歩のハードルが下がり、可能性が広がることにつながると思います。きめ細やかなAll in schoolのシステムで、学校と一体となって子育てできることも、不安材料が多い社会においては心強いことと感じました。

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