取材レポート

啓明学園初等学校

未来を見据え“子ども未来ファースト”な教育活動を展開。子どもみずから学びを創造する。

2023年度に設置された「英語特進コース」に続き、2024年度からこれまでの「一般」枠を「学び創造コース」へと改称した啓明学園初等学校。3人に1人が国際生という特色を生かした独自の英語教育や「学び合い」を重視した教育活動など、これまで培ってきた啓明の教育をより発展させるための新たな挑戦が始まりました。
今回は「学び創造コース」という名称を設定した背景について校長の佐川康博先生にお話を伺うとともに、英語科の取り組みの実際についても先生方にお話しいただきました。

啓明学園初等学校 校長 佐川康博先生のお話
子どもファーストのさらに先を行く“子ども未来ファースト”
子どもたち自身が課題を立てられるようになることを目指す「学び創造コース」
「一般」という表現から「学び創造コース」へと名称を変更
子どもの目線になって興味や関心のあることから始める啓明の英語教育
子どもたちがみずからやりたいという気持ちを大事にした「〇〇たくなる学び」
「主張、根拠、その根拠の理由づけ」を常に意識した深い学び

英語科教諭 新史織先生、アトキンエリサ先生、オコリバリトン先生のお話
子どもたちの思いを学びの中心にした啓明の英語教育
子どもたちの興味や関心を知るところから始める子ども主体のアプローチ
週3時間の英語の授業は全学年、全クラスでOnly Englishが基本
子どもたち一人ひとりの個性を捉えて伸ばすsmall encouragement
子どもの挑戦を受け入れる英語のクラスチェンジ
校長 佐川康博先生

校長 佐川康博先生

啓明学園初等学校 校長 佐川康博先生のお話

子どもファーストのさらに先を行く“子ども未来ファースト”

まず一般的なお話になりますが、これまでの学校教育はカリキュラムファーストで行われてきましたが、最近では子ども主体の授業つまり子どもファーストへと変わりつつあります。また私立では各学校の思い描く子ども像を目指してそれぞれ特色ある教育活動が行われているかと思います。本校における「世界を心に入れた人を育てる」というところですね。

しかしそういった理念や目標はあくまでベースになるもので、今の学校に足りないのは子どもファーストのさらに先を行く“子ども未来ファースト”だと私は考えています。

子どもたちはこれから先どんなことが起こるかわからない激動の時代を生き抜いていくわけですから、未来を見据えてカリキュラムをつくることが我々の役割だと思っています。10年、20年と変わらないようなこれまでの教育のあり方ではなく、教育現場も日々アップデートすることが必要だと考えます。子どもたちが生き生きと充実した人生を送るために、未来を見据えて新しい教育活動にチャレンジしていくこと。それが大切なことだと思います。

子どもたち自身が課題を立てられるようになることを目指す「学び創造コース」

前回の取材「啓明の英語教育をさらなる高みへと押し上げる「英語特進コース」」でもお話しさせていただきましたが、本校には「個の学び」と「他とつながる学び」の2つがありまして、それぞれバランス良く高めることを意識しています。また「学び合い」も大切で、考え合う、伝え合う、聴き合うことで学びのサイクルを回しています。

また他の人にも伝わるようにアウトプットする(説く)機会も多く取り入れていますが、これからは与えられた問いを解くだけではなく、みずから問いを立てられるようになることが求められていると思います。

これが「学び創造コース」へとつながっていくわけですが、学びを創造するとはどういうことでしょうか。それは日々いろいろな学びを通して「これって問題かも」「ここが課題だよね」ということに気がつき、子どもたちがみずから新しい問いを立てられるようになることだと思っています。それが学びを創造するということです。自分たちで課題を立て、解決し、人に説く。そこからさらに新しい課題を見つけて問いを立てていくというサイクルです。

「一般」という表現から「学び創造コース」へと名称を変更

本校では2024年度から、これまでの「一般」という呼び方から「学び創造コース」へと名称を変更しました。英語の授業は「英語特進αクラス」「英語特進βクラス」「英語Standard(S)クラス」の3クラスに分かれて授業を行いますが、英語も含めたすべての教科において全員が「学び創造コース」を意識した学習を進めることになります。

授業内容そのものが大きく変わるということではなく、これまで本校が取り組んできた教育をより発展させることを目的としています。後ほど詳しくお話ししますが「〇〇たくなる学び」や「3点セット(4点セット)」によって、より深い学びへとつなげます。

これはよく言われることですが白い紙に問題が書いてあれば解けるけれど、自分で問いを立てられないのが今の世界の課題だと思います。それを描けるようにすることがこれからの時代を生き抜いていくことにつながると思います。

子どもの目線になって興味や関心のあることから始める啓明の英語教育

本校の英語教育に関しても、取り組んでいるのは“子ども未来ファースト”の英語です。「英語特進コース」に限らず「英語Standard(S)クラス」においても未来を生き抜くためのツールを体得するために様々な教育活動が行われています。

以前もお話ししましたが、本校では文法から教えるような英語教育はしません。私たちが日本語を習得したのと同じように、ママやパパが発した音声を覚えて、真似て、発することから始めます。本校の英語が音声やリズムを大切にしているのもそのためです。5年生(特進コースでは3年生)になるとカリキュラムに比較級がありますが、子どもたちは比較級ということを知らずに普段の会話を通して使えるようになっていきます。現在完了や過去完了も同様です。

また大切なのは子どもの目線になって興味や関心のあることから始めるという点です。例えば野球好きの子どもにとって、大谷選手がニュースのトピックスに出てくると、最初は何を言っているのか分からなくても映像や知っている単語を頼りにだんだんと内容が分かるようになってくるんです。そうすると英語に興味や関心がもっと湧いてきて、どんどん聞いて覚えるようになるんです。

鉄道好きの子、釣り好きの子、蝶々が好きな子もいますし、盆栽に詳しい子などそれぞれ専門的な話になると私たち大人でも知らないことや聞いたことのない英語表現などがたくさん出てくるんです。本校では5、6年生になるとスピーチコンテストがあり、おたがいの発表を聞くことによってそれぞれの世界が広がります。これもひとつの学び合いですね。

英語に限ったことではありませんが人からやらされたものはいずれ息切れして続かなくなってしまうので、子どもたちの興味や関心から言葉を体得していくこと。子どもたちがみずからやりたいと思えるような英語にしたいと思っています。

子どもたちがみずからやりたいという気持ちを大事にした「〇〇たくなる学び」

それが「〇〇たくなる学び」という話につながってくるんですが、本校では英語に限らず全ての教科で「〇〇たくなる学び」に取り組んでいます。

ちょっと話は逸れますが、子どもに良い教育をたくさん受けさせたいと思っている大人ほど考えさせたい、学ばせたい、聞かせたい、読ませたい…と、「〇〇させたい」ことばかりなんですね。この時点ですでに子どもたちが受け身になっていることにお気づきかと思いますが、それをずっと続けていると与えられるのを待っているだけの受け身の姿勢になってしまうんです。

子どもたちが自分からやりたいという気持ちを大事にするためには「〇〇たくなる学び」が重要です。子ども自身が考えたくなる、学びたくなる、聞きたくなる、読みたくなる…そんな学びを大切にしています。

「〇〇させたい」といった気持ちになるのはもちろん分かりますが、読ませるんじゃなくて読みたくなるようなアプローチってあると思うんです。「有名な良い本があるから読みなさい」ではなくて、本を読んであげて「面白いね、誰の本?」って聞かれたときに、「〇〇って人だけど、興味あるなら読んでみたら?」くらいの空気感にしておいた方が子どもたちは好きになれるんです。

このアプローチを追究していこうというのが「〇〇たくなる学び」です。子どもたちがやりたいとか挑戦したいと言えるようになるためのアプローチの追究が我々の役割だと思っています。大切なのは私たち大人が子どもたちに何かを教えることではなくて、興味や関心につながるようなツボを毎日くすぐってあげること。そうすると子どもは自分で発見したかのような手応えもあって、学び続けることの楽しさにつながっていくのだと思います。

「主張、根拠、その根拠の理由づけ」を常に意識した深い学び

もうひとつお伝えしたいのは学びを深めるための「3点セット(4点セット)」です。これも教科を超えた取り組みで、アウトプット、インプットそれぞれにおいて「主張、根拠、その根拠の理由づけ」を常に意識するようにしています。

例えば子どもたちが人に説くつまりアウトプットをするときに、その主張には根拠と根拠となる理由づけがあるかを確認します。根拠となる理由がなければ主張として十分とは言えませんし、難しい文章を読んだり話を聞いたりしたときもきちんと理解できているとは言えないかも知れません。

本校の子どもたちは主張はできるのですが、「その根拠は?」と聞かれると理由づけまで答えるのはなかなか難しいところがあります。それを小さい頃から繰り返しやることによって、「根拠はこれかな」とか「その理由づけはこうかな」とみんなで話し合うときも意識するようになり、より深い考察へとつながっていくと思います。

さらに最近は学びの「4点セット」として、4つ目に「実体験・経験による類推」を加えました。経験の少ない子どもにとって以前同じようなことをしたとか読んだことがある、聞いたことがあるといった体験は非常に重要で、はじめて経験するようなことでも類推につながる体験をしていると、その体験が役に立つことがあります。

そのために自然学習や校外学習、国際交流などさまざまな教育活動を取り入れて、なおかつただ体験するのではなく類推につながるような体験になるよう意識して取り組んでいます。特に5、6年生になると外部からゲストティーチャーをお招きしてお話を伺う機会をたくさん設けています。先日お越しいただいた緩和ケアのお医者さんは緩和ケアの医療に携わるために専門医の資格が必要なことや、人の生死と向き合う現場で「人はみな生まれた時から死に向かって生きている」といったお話もあり、子どもたちにとってはその言葉が心に深く刻まれたようです。同じ話でも教員がするのと最前線にいる人から直接話を聞くのとでは全く印象が異なりますし、いろいろな分野で活躍されている最前線の人から話を聞くとおのずと考察力も上がります。

多角的な視点で物事を捉えられるようになりますし、一般的にこう言われているけど本当はそれだけじゃないんじゃないかと気づくこともあって、それが新しい課題を創ることにもつながっていくと思います。

英語科教諭 新史織先生、アトキンエリサ先生、オコリバリトン先生のお話

続いて英語科の取り組みについてもお話を伺いました。子どもたちが学びたくなる気持ちを高めるために先生方はどのようなアプローチを工夫しているのでしょうか。普段の授業の様子も含めてお話しいただきました。

子どもたちの思いを学びの中心にした啓明の英語教育

新先生:
校長先生からもお話があったかと思いますが、啓明の英語はまず音声がはじめにあって、「これってどういう意味なのかな」「自分でも言ってみたいな」といった子どもたちの思いを学びの中心にしています。あらかじめ用意された会話の場面で「こういう時はこうやって言うんだよ。言ってごらん」ではなくて、「こういうことを伝えたいんだけど、これってもしかしたら言ったらいいじゃないかな」のように、子どもたちが自分で考えてつかみとっていけるような流れを大切にしています。これは「英語特進コース」も「英語Standard(S)クラス」も同じです。

アトキン先生は啓明の英語教育に携わって10年以上になりますが、これまで多くの子どもたちを育ててきた経験があります。またオコリ先生も困っている子がいれば休み時間になっても一緒に話しをしてくれるような子ども思いの先生です。子どもたちを育てるために努力を惜しまずまた工夫を重ねて、しっかり一人ひとりのことを見てくださっているのを感じます。ふたりがいつも言っているのは「英語の授業だけで完結しないようにしよう」といったことですね。
英語科教諭 新史織先生

英語科教諭 新史織先生

子どもたちの興味や関心を知るところから始める子ども主体のアプローチ

次に普段の授業の様子についてオコリ先生、アトキン先生にお話を伺いました。子どもたちが英語を学ぶうえでどのようなアプローチを工夫しているのでしょうか。オコリ先生のお話によると、授業でさまざまなトピックスを取り上げる際、子どもたちがどんなことについて興味や関心があるのかそれを知ることから始めるそうです。例えば4年生で宇宙について取り上げるとき、子どもたちは宇宙についてどんなことを知っているのか、どんなことについて知りたいかなどリストにしてから特定のトピックスについて学んでいくそうです。


オコリ先生:
We want to know what the students already know about the planets, what the topic they want to study, and also what they want to know. I think that can be a way for the students to create their own lessons.

新先生:
「この星について調べてね」ではなく、「宇宙にはこういう星があるんだけど、どういうことについて知りたい?」と投げかけることによって、子どもたちが主体的に学べるよう働きかけてくださっているんです。


授業で取り扱うトピックスはユニークでanimals(1年生)やThis is me(2年生)、family and me(3年生)など学年ごとのカリキュラムに合わせて内容が工夫されています。また4年生になるとspace, insects, ocean creatures, environmentなど英語圏で暮らす同学年の子どもたちが触れているであろうトピックスについても取り上げています。ちなみに5年生はendangered animals(絶滅の危機に瀕した動物)について、6年生になるとethicsやAlice in Wonderlandに出てくるジャバウォックの有名な詩なども取り上げているそうです。

アトキン先生の授業もオコリ先生と同じように、扱うトピックスについては子どもたちがみずから決めているそうです。子どもたちを主体とした学びがここにはあります。


アトキン先生:
The 5th grade, they study about endangered animals and write an essay about the animals. Where they live, what they eat, how they reproduce... They will write an essay at the end.

This is a group project. All of them have to write one body for the essay. Each group decides what topic they want to study. And they study whatever topic they want to study. We don't decide for them what topic they want to study. So things like that can be student based.
英語科教諭 オコリバリトン先生

英語科教諭 オコリバリトン先生

週3時間の英語の授業は全学年、全クラスでOnly Englishが基本

週3時間の英語の授業はクラスや学年に関係無く1年生から6年生まですべて英語で行われます。特に「英語特進コース」は英語圏の学校と同じレベルの「英語特進αクラス」とそのレベルを目指す「英語特進βクラス」とに分かれ、レベル別3クラス編成を生かした教育活動が行われています。


アトキン先生:
Only English. No Japanese. For all grades. Because the curriculum is based on English speaking curriculum such as in the UK Australia,or America. So it's only English.

But sometimes they get stuck. “What is 'shinkansen' in English?” “What is 'shika' in English?” Then we can describe it to them or give them the word. No Japanese. The conversation isn't in Japanese.


英単語が思いつかずにちょっと困った時も基本的には日本語を使わずに英語でヒントになるような手がかりを伝えるそうです。例えば「新幹線に乗って奈良で鹿を見た」ということを子どもは言いたいのに「新幹線って英語で何て言うんだろう?」「鹿って英語で何て言うんだろう?」と英単語が出てこなくて話せなくなったとしても、日本語で答えをすぐに教えるのではなく、手がかりとなるような言葉を伝えて子ども自身が答えにたどり着けるよう導いていくそうです。
英語科教諭 アトキンエリサ先生

英語科教諭 アトキンエリサ先生

子どもたち一人ひとりの個性を捉えて伸ばすsmall encouragement

「英語特進コース」の設置によって国際生以外にも啓明の英語教育を受けられるチャンスが広がり、なかでも「英語特進クラス」の人気が高まっているようです。また入試の時点で「英語特進コース」を選ばなかった子どもでも、実際にはそれ以上の英語力が備わっていることもあり、2024年度からは新しい取り組みとしてクラスチェンジのテストを行うそうです。


新先生:
「英語特進βクラス」の人数がやや増えているような印象があります。また「英語Standard(S)クラス」にも英語に慣れている子が多いなと感じています。入試を受ける時点で「英語特進コース」だと難しいかも知れないと判断して「一般」枠を選んでいるんだと思いますが、英語力のあるお子さんが去年と比べても増えていると思います。


「英語特進コース」のレベルに達しているか、英語のみで行われる啓明の英語についていけるのか、気後れしてしまう保護者の方や自信の無いお子さんも少なからずいるようですが、先生方もその気持ちを汲み取りながらさまざまなアプローチを工夫しているようです。

アトキン先生のお話で印象的だったのはsmall encouragement。子どもたちの目線や表情から読み取れることも多くあるそうで、「この子は英語を理解できているけど、みんなの前で話すのは苦手なんだな」とか「一人で答えられないときはクラスのみんなの力を借りてみよう」など、言語的、非言語的なアプローチも取り入れながら子どもたち一人ひとりの力を伸ばしているようです。


アトキン先生:
In the past, I had a student who didn't talk in class. But I knew she spoke English with her friends. If she wants to share an answer, I still just encourage her to participate. Sometimes just a visual. Yes or No. It’s O.K. Other times she wrote her answer or her paper. It’s just a nonverbal way of showing her understanding. Then I came up to the board and I asked the class “Do you agree if her answers?” They said “Yes, I agree.” That's good.

And eventually she spoke a little louder, a little louder. And I could speak a little lower, a little lower. Now she has no problem speaking in class.

So just encouraging them in the small ways that they're comfortable with its small encouragement.

新先生:
これはある女の子の事例なんですけど、その子はみんなの前で英語を話すことにためらいを感じていました。どうやらお家では喋れるし、仲の良い友達とだったら英語でお話しできるんですけど、クラスのみんなの前だと恥ずかしくて話せないっていうお子さんだったんです。

そこで授業中にいろんなアプローチでその子を励ましたり、個人面談のときにはお母さんに協力を仰いで学校ではこういうふうに声をかけますからお家でも同じように声をかけてもらえませんかと。保護者の方も含めて連携したことがありました。

オコリ先生:
Yeah, it's mostly encouragement. That helps them. Sometimes we work in a small group, maybe it’s one -on -one with a partner. It encourages them to speak up.

I've also had some of them who moved from being quiet to becoming talkative. Because their confidence has grown over time, because they've been working with a partner and also gradually beginning to participate in class.

So I think it encourages them to participate, because in the English class, it's mostly about communication. So if you don't speak and you just study, you are not going to be able to use it. So we encourage them to always try to speak.

新先生:
オコリ先生もアトキン先生も子どもたちのことをよく見てくださっているんだなと思います。「この子はここまでだったら大丈夫」「ここを超えちゃうとこの子は先生に頼りっきりになっちゃうだろうな」など、一人ひとりのことをよく理解してくださっているからこそ「英語はちょっと無理かも」っていう子が啓明にはいないんだと思います。

子どもの挑戦を受け入れる英語のクラスチェンジ

校長先生のお話によると誰でも挑戦できる英語のクラスチェンジのテストを行うそうです。これまでは入試の段階で「英語特進コース」と「英語Standard(S)クラス」に分かれ、そのまま6年間授業が行われていましたが、今後は希望者を対象に2年生の2学期末まで学期の終わりごとにテストを行うそうです。入試の時点で気後れしてしまい「英語特進コース」にチャレンジできなかったご家庭が多くある状況を鑑みた取り組みのようで、日々アップデートする啓明の姿勢がここにも伺えます。


佐川校長先生:
「英語特進」って聞くとものすごいレベルの高いことをやっているように感じてしまうんですが、ある程度英語を学んでいる子であればβクラスでやっていけますし、入学した後でもクラスチェンジができますので安心して受験してください。


英語科の先生方にも今後の取り組みについてお話しいただきました。


アトキン先生:
「英語特進βクラス」の1年生と2年生は、スクールタクトを使って自宅でもっと音声を聞けるようにしてあげたいと思います。スクールタクトを使えば自宅に帰ってからも英語を聞けますし、小さいうちは文字を見てもどうやって発音すれば良いのか分からないので、まずは音声を聞いて、言ってみるということに取り組んでいこうと思います。英語の授業以外でも英語を聞く機会を増やしてあげたいと思います。

Trying to incorporate SchoolTakt more with audio. If I could put more listening to English on SchoolTakt, then they can go home and they can listen to English.

オコリ先生:
3年生になるとスピーチについて学ぶのですが、会話の部分につけるspeech marksを覚えるのに、子どもたちにそれぞれマンガを描いてもらおうと思っています。子どもたちはマンガを読んで慣れ親しんでいますし、自分で描くのはきっと楽しいと思うんです。

I'm actually thinking like it'd be a good idea. Some of kids still use the Japanese bracket kind of thing. If the kids can actually create their own manga they'll be able to use speech marks “ ” and write it correctly. I know many of these kids read all these manga and I'm thinking it would be exciting to them to create their own.

新先生:
私はコロナ禍が明けて久しぶりに海外の学校との交流が復活していることに期待しています。テディ・ベア・プロジェクトという取り組みがありまして、海外の学校とぬいぐるみを交換したり、英語で日記のやりとりをしたりします。

「日記は英語じゃなくて日本語でも良いし、英語で挑戦したい人がいれば英語で書いてきても良いよ」と言ったところ、半数近くの子どもたちが英語で日記を書いてきました。辞書を使ったり、お家の人に聞いたり。また「相手の人が読みやすいように綺麗に書いたよ」とか「わからないことがあったから調べてみたけど、大丈夫か心配だから確認して」っていう子もいて、自分の言葉を自分の文字で伝えたいという子どもたちの思いを感じることができました。

昨年度は姉妹校との国際交流も再開しましたし、今年度も海外の学校と交流する機会が増えると思いますので、自分の思いを英語で伝えられるように学習内容をアレンジしていきたいなと思っています。

最後に先生方にそれぞれ趣味や好きなことについて教えていただきました。

オコリ先生:
In my private time, I do more programming and cycling. I think maybe that the furthest I went to was Chofu. I came back in one day. About 30 miles or maybe more.

On weekends, I walk from Akishima through Oyama danchi and then around Showa Kinen Park at Tachikawa and back to Akishima via Nishi Tachikawa side. I do that every Saturday and Sunday. This is not for any special purpose, just walking around in the morning for exercise. Maybe it takes me one and a half hours.

新先生:
私は本を読むのが好きなので、毎週末子どもと図書館に行って本を読んでいます。

アトキン先生:
I still have three cats. I love them. But they do get in my and doing craft kits !

編集後記

新たな取り組みやその背景にある考え方、先を見据えたまなざしなど、そのすべてが子どもたちの未来のためにあるということが強く伝わってくる校長先生のお話でした。子をもつ親にとっては「〇〇させたい」ことばかりという指摘は少なからず思い当たる節があり、「〇〇たくなる学び」のアプローチを追究するその姿勢だけで、啓明の教育がいかに本質を捉えているかが伺えます。

英語の先生方も子どもたち一人ひとりに向き合ってくれているのが伝わり、英語だけではなく学ぶことそのものの楽しさを教えてもらっているのだと感じました。

取材協力

啓明学園初等学校

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