森村学園初等部
ひかり、みどり、こどもたち。いつも自然がそばに。
「正直・親切・勤勉」の校訓の下、生きた学力の形成を始め、
心身ともにバランスのとれた深い人間教育を目指しています。
森村学園初等部では、豊かな自然環境を生かしながら、「しっかり学び、とことん遊べ」をモットーに、子どもたちの健やかな成長を支える教育活動を展開しています。1910年の創立以来、長い年月をかけて培われてきた教育実践を礎に、一人ひとりの「学び」を大切にしながら、確かな学力と豊かな心を育てるための指導体制を整えています。変化の激しい現代は、正解のない問いに向き合い、自ら考えて行動する力が求められる時代です。私たちは、子どもたちが自分の中に問いを持ち、課題を見つけ、深く探究しながら答えを導き出していく力を育てたいと願っています。そのためにも、教科学習では、算数の二分割授業をはじめとした工夫を重ねながら、一人ひとりの理解と定着を丁寧に支え、学力を深く、そして高く伸ばしていきます。英語教育は、海外貿易の先駆者であった創立者・森村市左衛門の志を受け継ぎ、開校当初から継続。現在は、英語、体育、図画工作、音楽、理科、社会、家庭科などで専科制を導入し、専門的で密度の高い授業を実践しています。また、広々としたグラウンドや自然豊かな森など、思いきり遊べる環境も整備。授業以外の時間においても、子どもたちが主体的に関わりながら、感性や社会性、自主性を育めるよう配慮しています。多くの教員が一人の子どもを多角的に、そして丁寧に見つめていく――それが森村学園の教育の特長です。知識の習得にとどまらず、「なぜだろう」と問いを立て、「どうすればよいか」と考え、「もっと知りたい」と探究を深める力。その積み重ねが、これからの社会をたくましく生き抜く土台になると信じています。

春
出会いにときめく春――。学園の木々が一斉に春を謳う4月、入学式が行われます。2年生から贈られる手作りのペンダントを胸に、新しい森村っ子たちは、これから始まる学園生活に胸を弾ませます。やがて、新緑がまぶしい季節を迎えると、運動会が開かれます。縦割りのクラス対抗戦では、子どもたちの真剣なまなざしと、はじける笑顔がグラウンドいっぱいに広がります。そして、梅雨の訪れが近づく5月末から6月初めには、春の余韻を感じに遠足へ。自然に触れながら、季節の移ろいを全身で味わう時間となります。



夏
成長と冒険の夏――。1学期の終業式を終えると、4年生以上は林間学校へ出かけます。4年生は富士見高原、5年生は戸隠、6年生は志賀高原で、それぞれの自然にふれながら、山登りやキャンプファイヤーなどの体験を重ねます。現在は宿泊行事そのものの見直しを行いつつ、コロナ禍の名残で期間を段階的に元の形に戻していく途上にあります。現在は6年生が一番長く、5泊6日の林間学校を行っています。仲間とともに過ごす時間の中で、子どもたちは大自然の素晴らしさを肌で感じながら、「人と人とをつなぐ力」を少しずつ育んでいきます。また、3年生も秋に2泊3日(今年度は1泊)の林間学校を実施し、高尾の自然の中で初めての宿泊体験を楽しみます。5,6年生の希望者は夏休みに10日間のオーストラリア語学研修(ブリスベン)にでかけ、ホームステイや現地の学校での授業体験を通じて異文化を学びます。



秋
創造の秋――。寒さが増す11月、本格的な音楽ホールにて音楽会が開かれます。学年ごとの歌や器楽演奏に加え、音楽クラブや太鼓クラブによる発表もあり、心のこもった温かい響きがホールいっぱいに広がります。この音楽会は二十数年間にわたり横浜みなとみらいホールで開催されてきました。そして12月には、初等部体育館で展覧会が開かれます。子どもたち一人ひとりの感性が光る作品がずらりと並び、会場はまるで小さな美術館のような雰囲気に。親子で作品を見つめ合い、語り合う微笑ましい光景が、会場のあちこちで見られます。



冬
友情を温める冬――。1月には5年生、2月には6年生のスキー学校が、山形県の蔵王坊平で実施されます。4泊5日のプログラムの中で、初めてスキーを体験する子どもたちも、最終日には頂上から滑り降りられるまでに上達します。雪に親しみ、仲間と励まし合いながら過ごす日々は、心に残る特別な時間となります。
3月には、全学年が参加する学芸会が行われます。4年生はクラス単位で、1・2・3年生は学年ごとに、5・6年生は劇団形式で、それぞれ劇やパフォーマンスを発表します。仲間とともにつくり上げる舞台を通して、表現する喜びや、自分らしさを発信することの大切さを学びます。やがて、学園の木々の芽が色づき始める頃、厳かな雰囲気の中で卒業式が行われます。6年生は、たくさんの思い出を胸に、森村学園初等部を巣立っていきます。



トピックス
体験型の学びを重視し、森村学園初等部では外部講師を招いた特別授業も数多く実施しています。2022~2024年度には、以下のような多彩なプログラムが行われました。
・味覚の授業(6年生)
懐石料理の専門家を招き、塩・米酢・グラニュー糖・チョコレート・蜂蜜を実際に味わいながら、「塩味・酸味・苦味・甘味・うま味」の五味について学びました。
・デジタル・シチズンシップ(DQ)オンライン授業(中学年~高学年)
サイバーフェリックスの専門講師を招き、インターネットとの上手な付き合い方や情報リテラシーについて、オンライン形式で学習しました。
・スウェーデンからのゲストとの野外授業(1年生)
在スウェーデンの阿久根佐和子さんをお招きし、1年生3クラスを対象に、ミニグラウンドを活用した自然とふれあう野外授業を実施しました。
・昭和大学との高大連携授業(5年生)
昭和大学保健医療学部の先生と学生が来校し、看護師・理学療法士・作業療法士の仕事の一部を体験する模擬授業を通して、医療職への理解を深めました。
・ユニバーサル・ラン体験授業(5年生)
スポーツ義足を使って陸上競技に取り組む池田樹生選手(デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム所属)と、講師の井上友綱さんをお迎えし、義足体験や講話を通して「多様性」や「可能性」について学びました。
・セイコーわくわくスポーツ教室・水泳編(高学年)
Team Seiko所属の坂井聖人選手による講話を通じて、水泳を通じた努力や挑戦の大切さについてお話しいただきました。
・人権教育講演会(6年生)
弁護士の方をお招きし、「人権」や「いじめ」についてのお話を通して、他者を尊重する心の在り方を学びました。
・中高等部図書館体験(6年生)
初等部と中高等部の司書が連携し、図書館の活用方法や蔵書の違いを学ぶ体験イベントを実施しました。
・長津田商店街とのコラボレーション授業(4年生)
地元の商店街の方々にご協力いただき、店長さんへのインタビューや公式ホームページの調査を通して、専門店ならではの工夫やこだわりを学びました。学んだことはiPadを活用してポスターにまとめ、発表しました。
・ALSOK「あんしん教室」(3年生)
日常生活にひそむ危険や、防犯の基本について学ぶ授業を実施しました。特に、登下校時や在宅時に注意すべき点について、わかりやすく教えていただきました。
・長津田消防出張所による特別授業(3年生)
消防士による仕事紹介、質疑応答、消火器体験、消防車の見学を通して、私たちの安全を守る消防の役割について理解を深めました。
・国立研究開発法人 水産研究・教育機構の先生による特別授業(5年生)
「カツオ漁」をテーマに、水産業が直面している課題やその対策について学びました。教科書には載っていない専門的な内容に触れ、子どもたちにとって非常に貴重な学びの機会となりました。
・TOYOTAオンライン特別授業(5年生)
自動車の製造工程をテーマに、工業について学ぶ授業をオンラインで実施しました。5年生では、社会科で農業・水産業・工業についての調べ学習を進めており、その集大成としてこの特別授業を位置づけています。
一年の行事予定
4月APR | ●入学式 |
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5月MAY | ●運動会 |
6月JUN | |
7月JUL | ●林間学校 |
8月AUG | |
9月SEP | |
10月OCT | ●遠足 |
11月NOV | ●音楽会 |
12月DEC | ●展覧会 |
1月JAN | ●スキー教室 |
2月FEB | |
3月MAR | ●学芸会 ●卒業式 |
取材協力
森村学園初等部
〒226-0026 神奈川県横浜市緑区長津田町2695
TEL 045-984-2509
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