立命館小学校
毎日会える「お兄ちゃん、お姉ちゃん」がいる!立命館小が紡ぐ、家族のような絆と教育
立命館学園唯一の小学校として、伝統が息づく京都の地から先進的な教育を発信し続ける立命館小学校。2024年春、同校の新たな舵取り役として就任したのが、小笹大道(おざさ・ひろみち)校長です。立命館学園で育ち、数学教師として、そして教育心理の研究者として、学びを深めてきた小笹校長。穏やかな語り口の中に、確固たる教育理論と子どもたちへの深い愛情を秘めた校長に、同校が目指す教育の真髄を伺いました。
立命館小学校 校長 小笹大道先生のお話
立命館小学校 校長 小笹大道先生のお話
校長 小笹大道先生
立命館小学校 校長 小笹大道先生のお話
2024年度から校長を務める小笹校長の歩み
小笹校長を語る上で欠かせないのは、立命館学園という学び舎で育ち、その教育の真髄を内側から体現してきたキャリア、そして校長職にありながら今なお、現役の研究者として学び続ける真摯な姿勢です。
「私自身、中学・高校・大学と立命館で過ごしてきました。学園の空気を吸って育った一人です」と、柔和な笑顔で振り返る小笹校長。キャリアのスタートは公立中学校の数学教師でした。
その後、母校である立命館中学校・高等学校に赴任。中高教育の現場に長く身を置いた後、学園全体の一貫教育を統括する「一貫教育部」や小学校の主幹教諭、副校長を歴任し、現在の校長職に至ります。
特筆すべきは、多忙な校務を遂行する傍ら、立命館大学大学院の博士後期課程に在籍し、この春に博士号を取得された点です。専門は教育心理学における「行動分析」。一見すると難解な分野ですが、小笹校長はそれを「人が感情や感覚をどう受け止め、自らの行動をどう変容させていくかを探究するもの」と、明快に説明してくれました。
「教育の現場に長くいると、どうしても経験則や直感に頼ってしまいがちです。もちろん直感も大切ですが、自分の教育実践がどのような理論に基づいているのか、その背景をしっかりと固めたいと考え、大学院での研究を志しました」
学園の伝統を背負いながらも、現状に甘んじることなく、自ら学び続ける。その真摯な姿勢は、立命館小学校が掲げる教育理念を、自らの背中で体現しています。
「私自身、中学・高校・大学と立命館で過ごしてきました。学園の空気を吸って育った一人です」と、柔和な笑顔で振り返る小笹校長。キャリアのスタートは公立中学校の数学教師でした。
その後、母校である立命館中学校・高等学校に赴任。中高教育の現場に長く身を置いた後、学園全体の一貫教育を統括する「一貫教育部」や小学校の主幹教諭、副校長を歴任し、現在の校長職に至ります。
特筆すべきは、多忙な校務を遂行する傍ら、立命館大学大学院の博士後期課程に在籍し、この春に博士号を取得された点です。専門は教育心理学における「行動分析」。一見すると難解な分野ですが、小笹校長はそれを「人が感情や感覚をどう受け止め、自らの行動をどう変容させていくかを探究するもの」と、明快に説明してくれました。
「教育の現場に長くいると、どうしても経験則や直感に頼ってしまいがちです。もちろん直感も大切ですが、自分の教育実践がどのような理論に基づいているのか、その背景をしっかりと固めたいと考え、大学院での研究を志しました」
学園の伝統を背負いながらも、現状に甘んじることなく、自ら学び続ける。その真摯な姿勢は、立命館小学校が掲げる教育理念を、自らの背中で体現しています。
校長就任後の新たな挑戦。「ピースフルスクールプログラム」と「コミュニティの時間」
小笹校長が今、特に力を注いでいるのが「ピースフルスクールプログラム(以下、PSP)」と「コミュニティの時間」という2つの新しい取り組みです。
対立を恐れず、解決の道を探る「PSP」
「現代の子どもたちは、地域や家庭でも少人数の中で育つことが多く、多様な価値観に触れる機会が少ないため、他者との関係性を築く経験を意図的に作っていく必要があります」と小笹校長は指摘します。
そこで導入したのが、オランダ発祥のシチズンシップ教育「PSP」です。これは単に「仲良くしましょう」と説く道徳的なものではありません。自分の感情を「赤(怒り)」「青(我慢)」「黄(中立・解決)」という3色の帽子で可視化し、対立が起きた際にどう向き合い、どう解決していくかを具体的に学ぶプログラムです。
「対立そのものは悪いことではありません。大切なのは、批判や排他に向かうのではなく、自分たちの状態を客観的に捉え、行動をどう変容させていくか。PSPは、それをしっかりと考える時間にしていきたいと思っています」
2024年度の試行を経て、2025年度からファーストステージ(1〜4年生)で本格的にスタートしました。ここで培ったコミュニケーションの技術は、高学年でのハウス活動(縦割り集団)や委員会活動の場における実践へと繋がっていきます。
そこで導入したのが、オランダ発祥のシチズンシップ教育「PSP」です。これは単に「仲良くしましょう」と説く道徳的なものではありません。自分の感情を「赤(怒り)」「青(我慢)」「黄(中立・解決)」という3色の帽子で可視化し、対立が起きた際にどう向き合い、どう解決していくかを具体的に学ぶプログラムです。
「対立そのものは悪いことではありません。大切なのは、批判や排他に向かうのではなく、自分たちの状態を客観的に捉え、行動をどう変容させていくか。PSPは、それをしっかりと考える時間にしていきたいと思っています」
2024年度の試行を経て、2025年度からファーストステージ(1〜4年生)で本格的にスタートしました。ここで培ったコミュニケーションの技術は、高学年でのハウス活動(縦割り集団)や委員会活動の場における実践へと繋がっていきます。
PSP(ピースフルスクールプログラム)
PSP(ピースフルスクールプログラム)
教科の枠を超え、学びが自分事になる「コミュニティの時間」
もう一つの柱が、2025年度から本格始動した「コミュニティの時間」です。これは、国語や算数、社会といった各教科で学んだ知識をバラバラに終わらせず、一つのテーマに沿って横断的に活用する探究型の学びです。
例えば、2年生の生活科で取り組むトマトの栽培では、カゴメ株式会社と連携してケチャップ作りを体験。家庭科として高学年で学ぶ要素にも触れる、奥行きのある学びとなりました。
また、3年生の京都の伝統産業をテーマにした社会科見学も、単なる見学で終わりません。成果発表の動画制作では立命館大学と連携。大手ソフトウェア企業「Adobe(アドビ)」のアンバサダーを務める大学生から、直接動画制作スキルを学びました。
「国語で学んだ表現力が、社会科の発信で活かされる。算数の知識が、実際の体験の中で必要になる。そうした学びの連動を経験することで、子どもたちは知識が自分の力になる楽しさを実感します」
この時間を生み出すために、教員同士も学年の枠を超えて密なミーティングを重ね、緻密な授業設計を行っているといいます。
「私たちが目指すのは、テストで良い点数を取るためだけの受け身の学習ではありません。確かな基礎学力を土台に、それをいかに社会で活用し、主体的に動けるか。子どもたちが『楽しい!』と目を輝かせながら、自らの意志で学びを深めていく姿こそが、私たちの理想です」
例えば、2年生の生活科で取り組むトマトの栽培では、カゴメ株式会社と連携してケチャップ作りを体験。家庭科として高学年で学ぶ要素にも触れる、奥行きのある学びとなりました。
また、3年生の京都の伝統産業をテーマにした社会科見学も、単なる見学で終わりません。成果発表の動画制作では立命館大学と連携。大手ソフトウェア企業「Adobe(アドビ)」のアンバサダーを務める大学生から、直接動画制作スキルを学びました。
「国語で学んだ表現力が、社会科の発信で活かされる。算数の知識が、実際の体験の中で必要になる。そうした学びの連動を経験することで、子どもたちは知識が自分の力になる楽しさを実感します」
この時間を生み出すために、教員同士も学年の枠を超えて密なミーティングを重ね、緻密な授業設計を行っているといいます。
「私たちが目指すのは、テストで良い点数を取るためだけの受け身の学習ではありません。確かな基礎学力を土台に、それをいかに社会で活用し、主体的に動けるか。子どもたちが『楽しい!』と目を輝かせながら、自らの意志で学びを深めていく姿こそが、私たちの理想です」
コミュニティの時間(カゴメ連携)
立命館小学校:4つの教育的特長
①一人ひとりの「芽吹く時」を待てる、18年一貫教育
立命館小学校の教育を語る上で欠かせないのが、大学院までを見据えた18年一貫教育です。学園全体で掲げる「学園ビジョンR2030」のもと、子どもたちが自らのタイミングで才能を花開かせることができる環境を整えています。
「子どもたちが『これをやってみたい!』と思うタイミングは一人ひとり異なります。小学校で見つける子もいれば、中学、高校で見つける子もいる。その大切な時期に、学校環境の変化や受験勉強に縛られすぎることなく、自分のやりたいことに純粋にチャレンジできる。それが一貫教育の最大のメリットです」と小笹校長は語ります。
学園の根幹にあるのは「自由と清新」という建学の精神。自ら自由に、そして常に新しさに挑戦し続けるというこの精神は、小学校から大学院まで一本の太い柱として通っています。
また、小学校と他の学校種の校舎が物理的に離れているからこそ、教職員が意図的に連携を創り出している点も同校の特徴です。
「小学校と中高の教員間では日常的に交流があり、一緒に研修を行ったり互いの校舎を行き来して授業を見合うなど、教員同士の顔が見える関係が築かれています。だからこそ『こんな交流をしたい』というアイデアが、すぐに形になるのです」
大学との連携も非常に緊密です。すべての講義・演習を英語のみで行うグローバル教養学部(GLA)と連携した『立命館グローバル・ゲートウェイ・キャンプ』を高学年で実施。日常的に英語を公用語とするGLAの学生と丸一日向き合い、自分の英語力を最大限に活かしてコミュニケーションを図ります。
また、文学部の留学生(中国・韓国など)を招いて行う『キャンパスアジア・プログラム』は、英語だけでなくアジアの多言語や文化に触れる貴重な機会となっています。
「学園ビジョンR2030」が掲げる「挑戦をもっと自由に」というスローガンの通り、学園全体が大きな一つの学び舎となり、子どもたちの挑戦を18年という長いスパンで見守り、支える。この安心感こそが、立命館小学校が提供する教育の強みといえるでしょう。
立命館小学校の教育を語る上で欠かせないのが、大学院までを見据えた18年一貫教育です。学園全体で掲げる「学園ビジョンR2030」のもと、子どもたちが自らのタイミングで才能を花開かせることができる環境を整えています。
「子どもたちが『これをやってみたい!』と思うタイミングは一人ひとり異なります。小学校で見つける子もいれば、中学、高校で見つける子もいる。その大切な時期に、学校環境の変化や受験勉強に縛られすぎることなく、自分のやりたいことに純粋にチャレンジできる。それが一貫教育の最大のメリットです」と小笹校長は語ります。
学園の根幹にあるのは「自由と清新」という建学の精神。自ら自由に、そして常に新しさに挑戦し続けるというこの精神は、小学校から大学院まで一本の太い柱として通っています。
また、小学校と他の学校種の校舎が物理的に離れているからこそ、教職員が意図的に連携を創り出している点も同校の特徴です。
「小学校と中高の教員間では日常的に交流があり、一緒に研修を行ったり互いの校舎を行き来して授業を見合うなど、教員同士の顔が見える関係が築かれています。だからこそ『こんな交流をしたい』というアイデアが、すぐに形になるのです」
大学との連携も非常に緊密です。すべての講義・演習を英語のみで行うグローバル教養学部(GLA)と連携した『立命館グローバル・ゲートウェイ・キャンプ』を高学年で実施。日常的に英語を公用語とするGLAの学生と丸一日向き合い、自分の英語力を最大限に活かしてコミュニケーションを図ります。
また、文学部の留学生(中国・韓国など)を招いて行う『キャンパスアジア・プログラム』は、英語だけでなくアジアの多言語や文化に触れる貴重な機会となっています。
「学園ビジョンR2030」が掲げる「挑戦をもっと自由に」というスローガンの通り、学園全体が大きな一つの学び舎となり、子どもたちの挑戦を18年という長いスパンで見守り、支える。この安心感こそが、立命館小学校が提供する教育の強みといえるでしょう。
RGGC(立命館グローバルゲートウェイキャンプ)
キャンパスアジアプログラム(CAP)
②さまざまな人との関わりを持てる学校
立命館小学校が大切にしているのは、同級生という横の繋がりだけではありません。異なる年齢の児童や、社会の第一線で活躍する専門家、そして保護者。多様な人々との関わりこそが、子どもたちの世界を広げ、豊かな人間性を育みます。
■一生続くハウスの絆
開校以来、同校の象徴となっているのが、ハウス活動です。全校児童は「桜」「桐」「欅」など6つのハウス(各120名)に分かれ、さらにその中で「ファミリー」(各30名)、そして6学年各1名ずつで構成される「BS(ブラザー&シスター)」という最少ユニットを組みます。
「BSで清掃活動や対話の時間、ハウスで遠足や運動会など、学校生活のあらゆる場面を共に過ごします。縦割り活動を取り入れている学校は多いですが、本校のように毎日顔を合わせる機会がある学校は珍しいでしょう。そして、一度決まったメンバー構成は6年間変わりません。だからこそ、非常に強い絆が育まれます」
遠足の際、歩き疲れた1年生の荷物をそっと持ってあげたり、おんぶしてあげたりする。そんな光景が見られるといいます。
「誰に言われるでもなく、かつて自分がしてもらった優しさを次の世代へ繋いでいく。ハウスは、子どもたちにとって『もう一つの家族』のような存在になっていると感じます。創立20周年で初めて行った歴代の卒業生が集う大ホームカミングデーでも、一番人気だった記念グッズはハウスカラーのタオルでした。卒業後も『自分は何ハウスだった』というアイデンティティを持ち続けているのは、本校ならではの光景です」
立命館小学校が大切にしているのは、同級生という横の繋がりだけではありません。異なる年齢の児童や、社会の第一線で活躍する専門家、そして保護者。多様な人々との関わりこそが、子どもたちの世界を広げ、豊かな人間性を育みます。
■一生続くハウスの絆
開校以来、同校の象徴となっているのが、ハウス活動です。全校児童は「桜」「桐」「欅」など6つのハウス(各120名)に分かれ、さらにその中で「ファミリー」(各30名)、そして6学年各1名ずつで構成される「BS(ブラザー&シスター)」という最少ユニットを組みます。
「BSで清掃活動や対話の時間、ハウスで遠足や運動会など、学校生活のあらゆる場面を共に過ごします。縦割り活動を取り入れている学校は多いですが、本校のように毎日顔を合わせる機会がある学校は珍しいでしょう。そして、一度決まったメンバー構成は6年間変わりません。だからこそ、非常に強い絆が育まれます」
遠足の際、歩き疲れた1年生の荷物をそっと持ってあげたり、おんぶしてあげたりする。そんな光景が見られるといいます。
「誰に言われるでもなく、かつて自分がしてもらった優しさを次の世代へ繋いでいく。ハウスは、子どもたちにとって『もう一つの家族』のような存在になっていると感じます。創立20周年で初めて行った歴代の卒業生が集う大ホームカミングデーでも、一番人気だった記念グッズはハウスカラーのタオルでした。卒業後も『自分は何ハウスだった』というアイデンティティを持ち続けているのは、本校ならではの光景です」
ハウス(遠足)
ハウス(運動会)
■学校・家庭・地域が共に育つ「ラーニング・コミュニティ」
2024年から新たに打ち出されたのが「ラーニング・コミュニティ」というコンセプトです。「専門性の高い人は教員以外にもたくさんいる。そうした人々から『本物』を学んでほしい」との思いから、独自の授業「京都学」などが展開されています。
「京都にある学校として、日本の伝統文化の本質を学んでほしいと『京都学』を設けています。茶道は裏千家、染め物は人間国宝の系譜を継ぐ専門家をお招きし、和太鼓や日本舞踊を嗜む機会もあります。それらの経験は、将来海外へ出た際にも自国の文化を語れる確かな自信に繋がるはずです」
さらに、このコミュニティには保護者がサポーターとして参加することもあります。
「例えば加茂川での校外学習でも、水生昆虫の専門家や賀茂川漁協の方に加えて保護者の方がサポーターとして同行してくださいます。大人の目が増えることで、子どもたちの『あっちへ行ってみたい』という探究心を制限することなく、安全に、かつ自由に活動させることができるのです」
共働きの家庭も多いため、活動は決して強制ではありません。「できる人が、できる時に、楽しみながら参加する」スタイルです。
「すべてを教員だけで担うのではなく、足りないところは助けてもらいながら、より良い学びを子どもたちに提供していきます。企業や地域、保護者の方々がそれぞれの立ち位置で教育に携わるコミュニティをどんどん広げていき、持続可能な形で作り上げていくことが、今の学校には必要だと考えています」
2024年から新たに打ち出されたのが「ラーニング・コミュニティ」というコンセプトです。「専門性の高い人は教員以外にもたくさんいる。そうした人々から『本物』を学んでほしい」との思いから、独自の授業「京都学」などが展開されています。
「京都にある学校として、日本の伝統文化の本質を学んでほしいと『京都学』を設けています。茶道は裏千家、染め物は人間国宝の系譜を継ぐ専門家をお招きし、和太鼓や日本舞踊を嗜む機会もあります。それらの経験は、将来海外へ出た際にも自国の文化を語れる確かな自信に繋がるはずです」
さらに、このコミュニティには保護者がサポーターとして参加することもあります。
「例えば加茂川での校外学習でも、水生昆虫の専門家や賀茂川漁協の方に加えて保護者の方がサポーターとして同行してくださいます。大人の目が増えることで、子どもたちの『あっちへ行ってみたい』という探究心を制限することなく、安全に、かつ自由に活動させることができるのです」
共働きの家庭も多いため、活動は決して強制ではありません。「できる人が、できる時に、楽しみながら参加する」スタイルです。
「すべてを教員だけで担うのではなく、足りないところは助けてもらいながら、より良い学びを子どもたちに提供していきます。企業や地域、保護者の方々がそれぞれの立ち位置で教育に携わるコミュニティをどんどん広げていき、持続可能な形で作り上げていくことが、今の学校には必要だと考えています」
京都学(日本舞踊)
③世界を舞台に「好き」を突き詰める! 先進的な体験活動
立命館小学校を特徴づける教育として名が挙がるのが、前述の「京都学」に加え、「ロボティクス科」と「国際教育」です。
■1年生からのロボット教育
開校以来の伝統であるロボティクス科は、国の教育課程特例校の指定を受け、1〜4年生まで週1時間の授業として確立されています。「単にプログラミングを覚えるのではなく、自分のインプットした指示がどうアウトプット(動き)として現れるか。その試行錯誤こそが学びの本質です」と小笹校長。
授業を通して興味を持った児童が参加する課外活動「ロボット部」には約10名が所属。2025年度は、新しく取り入れたVEXというロボットの日本大会に初出場、初優勝を果たし、アメリカで行われる世界大会へと駒を進めています。
ロボティクス科は、5年生からはICT科へと発展し、生成AIの活用やアプリを用いたプレゼンテーション能力の育成など、現代社会で必須となる発信力を磨きます。
立命館小学校を特徴づける教育として名が挙がるのが、前述の「京都学」に加え、「ロボティクス科」と「国際教育」です。
■1年生からのロボット教育
開校以来の伝統であるロボティクス科は、国の教育課程特例校の指定を受け、1〜4年生まで週1時間の授業として確立されています。「単にプログラミングを覚えるのではなく、自分のインプットした指示がどうアウトプット(動き)として現れるか。その試行錯誤こそが学びの本質です」と小笹校長。
授業を通して興味を持った児童が参加する課外活動「ロボット部」には約10名が所属。2025年度は、新しく取り入れたVEXというロボットの日本大会に初出場、初優勝を果たし、アメリカで行われる世界大会へと駒を進めています。
ロボティクス科は、5年生からはICT科へと発展し、生成AIの活用やアプリを用いたプレゼンテーション能力の育成など、現代社会で必須となる発信力を磨きます。
ロボットの授業
■「英語で何ができるか」を問う国際教育
国際教育のコンセプトは、多様性共存社会を生きる子どもたちに必要な根っこの育成です。
「ファンクショナル・バイリンガルの基礎育成を掲げ、英語をツールとしてどのようにコミュニケーションを取るかに重点を置いた教育に、開校当初から取り組んできました。今はそれをより発展させ、異文化をどう理解し、受け入れるかに重点を置いて、教育を展開しています。その際に必須となるのが、自国の文化を深く知ること。自分のルーツを語れる自信こそが、真の国際交流を支えるのです。そこに本校の『京都学』が生きてきます」
また、6つの海外研修プログラムに加えて同校では10週間の「オーストラリア・ターム留学」も実施しています。5・6年生を対象とした希望制で、親元を離れ、現地の寮で一人生活する経験は、子どもたちを劇的に成長させるといいます。
「出発前後の学習にも力を入れています。どんな目標を達成したいか、うまくいかなかった時に次をどう目指すかを自分たちでしっかり考えた上で渡豪し、帰国後は保護者や次期候補生に向けて学びを伝えてもらいます。戻ってきた子どもたちは、一回りも二回りもたくましくなっています。ターム留学の経験者は、その後、海外大学や国際系学部に進学することが多いんですよ」
また2026年度からは、新たに「STEAM」を通した国際交流も始まります。
「夏休みには、合唱部がスイスの学校を訪問し、寮に滞在しながら世界各地の子どもたちと交流したり、合唱発表を行う予定です。また、スタンフォード大学でのSTEAMキャンプへの参加や、5月にはロボット世界大会での渡米も控えています。『合唱が好き』『ロボットが好き』という好きをベースにした主体的な挑戦の場を、これからも広げていきたいと考えています」
国際教育のコンセプトは、多様性共存社会を生きる子どもたちに必要な根っこの育成です。
「ファンクショナル・バイリンガルの基礎育成を掲げ、英語をツールとしてどのようにコミュニケーションを取るかに重点を置いた教育に、開校当初から取り組んできました。今はそれをより発展させ、異文化をどう理解し、受け入れるかに重点を置いて、教育を展開しています。その際に必須となるのが、自国の文化を深く知ること。自分のルーツを語れる自信こそが、真の国際交流を支えるのです。そこに本校の『京都学』が生きてきます」
また、6つの海外研修プログラムに加えて同校では10週間の「オーストラリア・ターム留学」も実施しています。5・6年生を対象とした希望制で、親元を離れ、現地の寮で一人生活する経験は、子どもたちを劇的に成長させるといいます。
「出発前後の学習にも力を入れています。どんな目標を達成したいか、うまくいかなかった時に次をどう目指すかを自分たちでしっかり考えた上で渡豪し、帰国後は保護者や次期候補生に向けて学びを伝えてもらいます。戻ってきた子どもたちは、一回りも二回りもたくましくなっています。ターム留学の経験者は、その後、海外大学や国際系学部に進学することが多いんですよ」
また2026年度からは、新たに「STEAM」を通した国際交流も始まります。
「夏休みには、合唱部がスイスの学校を訪問し、寮に滞在しながら世界各地の子どもたちと交流したり、合唱発表を行う予定です。また、スタンフォード大学でのSTEAMキャンプへの参加や、5月にはロボット世界大会での渡米も控えています。『合唱が好き』『ロボットが好き』という好きをベースにした主体的な挑戦の場を、これからも広げていきたいと考えています」
オーストラリアTAS・ターム留学
④保護者を支える充実の放課後活動
共働き家庭が増える中、立命館小学校のアフタースクールと学童機能は、利便性だけでなく「教育の質」においても圧倒的な支持を得ています。
アフタースクールでは、月曜から木曜まで22講座(のべ30コマ以上、2025年度)が開講されています。「ただの習い事ではなく、本物に触れることにこだわりました」という言葉通り、茶道は「裏千家」、華道は「池坊」、スポーツでは「京都ハンナリーズ」や「京都サンガF.C.」といった各界のトップランナーが直接指導にあたります。大学の部活動と連携したチアリーダー講座など、立命館学園の強みを活かした講座もあり、子どもたちの意欲を掻き立てています。
学童機能としての「プライマリータイム」は、明光ネットワークジャパンに運営を委託。宿題のサポートはもちろん、思考力を高めるアクティビティも用意されています。
「2025年度より、放課後を過ごした子どもたちをスタッフが北大路駅まで送り届けるシステムを導入しました。保護者の方はご自宅の最寄り駅でピックアップするだけでいい。働く保護者の負担を軽減し、安心してお子様を預けていただける体制を整えています」
夏休みには10日間ほどのサマースクールも開催。子どもたちは朝から夕方まで学校を独り占めしてのびのびと過ごします。
充実した放課後・長期休暇の過ごし方を用意することで、単なる勉強の場ではなく、生活の拠点としても、子どもたちの成長を支えています。
共働き家庭が増える中、立命館小学校のアフタースクールと学童機能は、利便性だけでなく「教育の質」においても圧倒的な支持を得ています。
アフタースクールでは、月曜から木曜まで22講座(のべ30コマ以上、2025年度)が開講されています。「ただの習い事ではなく、本物に触れることにこだわりました」という言葉通り、茶道は「裏千家」、華道は「池坊」、スポーツでは「京都ハンナリーズ」や「京都サンガF.C.」といった各界のトップランナーが直接指導にあたります。大学の部活動と連携したチアリーダー講座など、立命館学園の強みを活かした講座もあり、子どもたちの意欲を掻き立てています。
学童機能としての「プライマリータイム」は、明光ネットワークジャパンに運営を委託。宿題のサポートはもちろん、思考力を高めるアクティビティも用意されています。
「2025年度より、放課後を過ごした子どもたちをスタッフが北大路駅まで送り届けるシステムを導入しました。保護者の方はご自宅の最寄り駅でピックアップするだけでいい。働く保護者の負担を軽減し、安心してお子様を預けていただける体制を整えています」
夏休みには10日間ほどのサマースクールも開催。子どもたちは朝から夕方まで学校を独り占めしてのびのびと過ごします。
充実した放課後・長期休暇の過ごし方を用意することで、単なる勉強の場ではなく、生活の拠点としても、子どもたちの成長を支えています。
アフタースクール(バスケットボール)
アフタースクール(チア)
20周年の節目に刻む、子どもたちの未来宣言と共創の軌跡
2025年に開校20年目を迎えた立命館小学校では、多彩な記念事業が展開されました。
「これからの立命館小学校はどうありたいか。それを子どもたち自身に考えてもらいました」と小笹校長は語ります。
その象徴が、児童会が中心となってまとめた「未来宣言」です。各ハウスの代表児童たちは、春休みから何度も会議を重ね、全校児童720名から寄せられたアンケート結果を丁寧に分析しました。その過程で児童らが気づいたのは、みんなの願いと、歴代の「今年度の漢字」が重なり合っていることでした。
「今年度の漢字」とは、その年にふさわしい一文字を全校児童から募って選ぶ、2008年から続く同校の伝統文化です。
「子どもたちは、歴代の漢字すべてを文章に盛り込み、これまでの20年と未来を繋ぐ宣言文を自分たちの言葉で紡ぎ出したのです。教員が主導するのではなく、彼らの思考を整理するサポーターに徹しました。自分たちの世界を自分たちで創っていく。私たちが教育を通して最も大切にしたかった姿を体現してくれ、子どもたちの持つ力のすごさを改めて実感しました」
大人たちの挑戦も負けてはいません。保護者会が中心となり、「折り紙風船で描くモザイク画」でのギネス世界記録™に挑戦。20周年ロゴを7,000枚以上の折り紙風船で描き出すという壮大なプロジェクトです。
ここでも保護者会は一方的に進めるのではなく、児童会の副代表らとディスカッションを重ね、「どうすれば全校児童が楽しめるか」を共に考え抜きました。子どもたちが手作りした折り紙風船を一つひとつ並べていく作業は非常に根気の要るものでしたが、その先には大きな感動が待っていました。
「できあがったモザイク画を見た瞬間、子どもたちからは大歓声が湧きあがりました。それを見て『やってよかった』と手を取り合う保護者の皆様。まさに、学校・家庭・地域が一体となる『ラーニング・コミュニティ』が結実した瞬間でした。保護者の方々が『子どもをサポートしたい、共に歩みたい』というスタンスで関わってくださる。これこそが本校の誇るべき強みです」
「これからの立命館小学校はどうありたいか。それを子どもたち自身に考えてもらいました」と小笹校長は語ります。
その象徴が、児童会が中心となってまとめた「未来宣言」です。各ハウスの代表児童たちは、春休みから何度も会議を重ね、全校児童720名から寄せられたアンケート結果を丁寧に分析しました。その過程で児童らが気づいたのは、みんなの願いと、歴代の「今年度の漢字」が重なり合っていることでした。
「今年度の漢字」とは、その年にふさわしい一文字を全校児童から募って選ぶ、2008年から続く同校の伝統文化です。
「子どもたちは、歴代の漢字すべてを文章に盛り込み、これまでの20年と未来を繋ぐ宣言文を自分たちの言葉で紡ぎ出したのです。教員が主導するのではなく、彼らの思考を整理するサポーターに徹しました。自分たちの世界を自分たちで創っていく。私たちが教育を通して最も大切にしたかった姿を体現してくれ、子どもたちの持つ力のすごさを改めて実感しました」
大人たちの挑戦も負けてはいません。保護者会が中心となり、「折り紙風船で描くモザイク画」でのギネス世界記録™に挑戦。20周年ロゴを7,000枚以上の折り紙風船で描き出すという壮大なプロジェクトです。
ここでも保護者会は一方的に進めるのではなく、児童会の副代表らとディスカッションを重ね、「どうすれば全校児童が楽しめるか」を共に考え抜きました。子どもたちが手作りした折り紙風船を一つひとつ並べていく作業は非常に根気の要るものでしたが、その先には大きな感動が待っていました。
「できあがったモザイク画を見た瞬間、子どもたちからは大歓声が湧きあがりました。それを見て『やってよかった』と手を取り合う保護者の皆様。まさに、学校・家庭・地域が一体となる『ラーニング・コミュニティ』が結実した瞬間でした。保護者の方々が『子どもをサポートしたい、共に歩みたい』というスタンスで関わってくださる。これこそが本校の誇るべき強みです」
今年度の漢字
折り紙風船
取材を終えて
インタビューの最後に、小笹校長に「今の立命館小学校の子どもたち」はどう映っているのかを尋ねました。
「今のリーダーたちは、ぐいぐい引っ張るタイプというより、『みんなに活躍してもらうために、自分はどう動くべきか』を考えるタイプの子が増えています。これは、私たち教員が1対30で教え込むスタイルから、共に対話し探究するスタイルへとシフトしてきたことを、子どもたちが敏感に感じ取っているからかもしれません。先日の全校集会でも、卒業で退任する6年生のハウス代表が『支えてもらっていることに感謝して、より良いハウスにしていってください』と話し、次代へバトンを繋いでいました」
立命館小学校には、18年一貫教育という長い時間軸、本物に触れる圧倒的な体験、そして失敗を恐れずに挑戦できる温かいコミュニティがあります。子どもも大人も、共に挑戦を楽しみ、変化し続ける。20周年を経て、さらにその歩みを加速させる同校。ここで育った子どもたちが、それぞれの個性を輝かせ、世界を彩る未来が今から楽しみでなりません。
「今のリーダーたちは、ぐいぐい引っ張るタイプというより、『みんなに活躍してもらうために、自分はどう動くべきか』を考えるタイプの子が増えています。これは、私たち教員が1対30で教え込むスタイルから、共に対話し探究するスタイルへとシフトしてきたことを、子どもたちが敏感に感じ取っているからかもしれません。先日の全校集会でも、卒業で退任する6年生のハウス代表が『支えてもらっていることに感謝して、より良いハウスにしていってください』と話し、次代へバトンを繋いでいました」
立命館小学校には、18年一貫教育という長い時間軸、本物に触れる圧倒的な体験、そして失敗を恐れずに挑戦できる温かいコミュニティがあります。子どもも大人も、共に挑戦を楽しみ、変化し続ける。20周年を経て、さらにその歩みを加速させる同校。ここで育った子どもたちが、それぞれの個性を輝かせ、世界を彩る未来が今から楽しみでなりません。








