関西大学初等部
自分たちが納得できる学びを自分たちで創る!関西大学初等部が掲げる「学びのオーナーシップ」
2010年の開校以来、「今の状態でできる最高の教育を子どもたちに」という信念のもと、児童主体の先駆的な教育を実践してきた関西大学初等部。2025年度もまた、日本の初等教育を牽引する革新的な取り組みを次々と展開してきました。その根底に流れるのは、今田雅彦校長が提唱する「学びのオーナーシップ」という考え方です。
変化の激しいこれからの時代、子どもたちは自らの学びをどのように捉え、自らの手で形にしているのか。大阪・関西万博での発表をはじめ、テクノロジーを駆使した最新の教育実践について、今田校長に詳しくお話を伺いました。
関西大学初等部 校長 今田雅彦先生のお話
変化の激しいこれからの時代、子どもたちは自らの学びをどのように捉え、自らの手で形にしているのか。大阪・関西万博での発表をはじめ、テクノロジーを駆使した最新の教育実践について、今田校長に詳しくお話を伺いました。
関西大学初等部 校長 今田雅彦先生のお話
校長 今田雅彦先生
関西大学初等部 校長 今田雅彦先生のお話
「学びのオーナーシップ」を掲げ、教育を展開
「本校が大切にしているのは『学びのオーナーシップ』。つまり『自分たちが納得できる学びを自分たちで創る』という姿勢です」と今田校長は切り出します。
そのために同校では、学校生活のさまざまな場面において、以下の4つのプロセスを軸に学びを展開しています。
●「みつける」:自ら問いを見つける
●「みとおす」:学習計画を立てる
●「もとめる」:実際に追究して学ぶ
●「ひろげる」:学びを発信する
この「学びのオーナーシップ」を具現化する大きな舞台が、2025年度に訪れました。
そのために同校では、学校生活のさまざまな場面において、以下の4つのプロセスを軸に学びを展開しています。
●「みつける」:自ら問いを見つける
●「みとおす」:学習計画を立てる
●「もとめる」:実際に追究して学ぶ
●「ひろげる」:学びを発信する
この「学びのオーナーシップ」を具現化する大きな舞台が、2025年度に訪れました。
大阪・関西万博で、世界に向けて自らの学びを発信する
2025年9月6日、大阪・関西万博の会場にて開催された「夢洲関大Days」。この世界的な舞台で、関西大学初等部の5年生と6年生が、総合的な学習の時間を通して得た探究の成果を発表したのです。
5年生:防災を「自分事」として捉え、命を守る術を提案
5年生のテーマは「防災×SDGs」。学びの起点となったのは、2018年に発生した大阪北部地震などの過去の災害です。あの日を振り返りながら、「もし自分一人でいるときに震度7の揺れに襲われたら……」という切実な問いから探究的な学習がスタートしました。
「南海トラフ巨大地震は必ず来ると言われています。それが実際に起こったとき、どんな対策が必要か。子どもたちはポリ袋を使った防災クッキングや保存食の活用法、防災グッズの準備など、一人ひとりテーマを決め、徹底して『自分事』として捉えることを大切に、調べ学習を進めました」
その結果、万博のブースでは単なる知識の披露に留まらず、子どもたちの実感を伴ったプレゼンテーションが展開されました。来場者からは「これなら自分たちにもできそう」といった声が上がるなど、手応えのある発表となったといいます。
5年生:防災を「自分事」として捉え、命を守る術を提案
5年生のテーマは「防災×SDGs」。学びの起点となったのは、2018年に発生した大阪北部地震などの過去の災害です。あの日を振り返りながら、「もし自分一人でいるときに震度7の揺れに襲われたら……」という切実な問いから探究的な学習がスタートしました。
「南海トラフ巨大地震は必ず来ると言われています。それが実際に起こったとき、どんな対策が必要か。子どもたちはポリ袋を使った防災クッキングや保存食の活用法、防災グッズの準備など、一人ひとりテーマを決め、徹底して『自分事』として捉えることを大切に、調べ学習を進めました」
その結果、万博のブースでは単なる知識の披露に留まらず、子どもたちの実感を伴ったプレゼンテーションが展開されました。来場者からは「これなら自分たちにもできそう」といった声が上がるなど、手応えのある発表となったといいます。
6年生:世界に誇る日本の技術を自らの手で取材
6年生は「世界を切り拓け、Japanese idea」をテーマに、日本が誇る匠の技や先端技術を紹介。驚くべきは、その取材プロセスです。
「京都大学iPS細胞研究所や、心臓パッチの開発を行う大阪医科薬科大学、島津製作所の医療機器など、子どもたちが自らアポ取りの電話や手紙を出しました。普通なら教員が代行するところですが、子どもたちが直接お願いすることで、企業や研究機関の方々もその熱意を汲み取ってくださいました」
学びの場も教室に限定されません。直接大学や企業に出向いて専門家から話を聞くだけでなく、海外企業へのオンライン取材を行ったチームもありました。
さらに特筆すべきは、「その日、自分たちは何を行うべきか」というスケジュール管理までもが子どもたちに委ねられた点です。あるチームが学外へ取材に出向く一方で、校内に残って分析を進めるチームがあるなど、一人ひとりが自律的に探究を進めていきました。
「自分たちが真剣に取り組めば、相手もきちんと応えてくれる。そうした実感を伴う学びは、強いやりがいと達成感、そして自信につながったはずです」と今田校長は振り返ります。
6年生は「世界を切り拓け、Japanese idea」をテーマに、日本が誇る匠の技や先端技術を紹介。驚くべきは、その取材プロセスです。
「京都大学iPS細胞研究所や、心臓パッチの開発を行う大阪医科薬科大学、島津製作所の医療機器など、子どもたちが自らアポ取りの電話や手紙を出しました。普通なら教員が代行するところですが、子どもたちが直接お願いすることで、企業や研究機関の方々もその熱意を汲み取ってくださいました」
学びの場も教室に限定されません。直接大学や企業に出向いて専門家から話を聞くだけでなく、海外企業へのオンライン取材を行ったチームもありました。
さらに特筆すべきは、「その日、自分たちは何を行うべきか」というスケジュール管理までもが子どもたちに委ねられた点です。あるチームが学外へ取材に出向く一方で、校内に残って分析を進めるチームがあるなど、一人ひとりが自律的に探究を進めていきました。
「自分たちが真剣に取り組めば、相手もきちんと応えてくれる。そうした実感を伴う学びは、強いやりがいと達成感、そして自信につながったはずです」と今田校長は振り返ります。
この万博での発表には、5・6年生の全員が発表者として参加しました。来場者からは「子どもたちの伝える力が素晴らしいですね」という感嘆の声が上がったといいます。全児童が高い発信力を備える理由について、今田校長はこう分析します。
「授業でのディスカッションや、思考を可視化する『シンキングツール』の活用といった日々の積み重ねがあるからこそ、あの大舞台でも力が自然に発揮されたのだと思います」
続けて、「世界的な舞台で発表した経験は、子どもたちにとって大きな励みになったのではないでしょうか。50年後にまた万博があったとき、『実はお父さんとお母さんは、小学生のときにこの場で発表したんだよ』と語れるような、一生の宝物になる取り組みになったのではないかと考えています」と、笑顔を見せます。
「授業でのディスカッションや、思考を可視化する『シンキングツール』の活用といった日々の積み重ねがあるからこそ、あの大舞台でも力が自然に発揮されたのだと思います」
続けて、「世界的な舞台で発表した経験は、子どもたちにとって大きな励みになったのではないでしょうか。50年後にまた万博があったとき、『実はお父さんとお母さんは、小学生のときにこの場で発表したんだよ』と語れるような、一生の宝物になる取り組みになったのではないかと考えています」と、笑顔を見せます。
ウェアラブルウォッチで「体育を科学する」
「今の状態でできる最高の教育を子どもたちに」をモットーに、常に教育のアップデートを続ける同校。2024年度からは、体育にウェアラブルウォッチを導入し、「自分の体を知る」ことからアプローチする授業を展開しています。
「従来の体育といえば、順位を競うことに重きが置かれていました。しかし近年、文部科学省が『生涯スポーツ』を打ち出している通り、運動を楽しむ方向へと時代の流れが変わっています。本校ではその考えを一歩進め、テクノロジーを駆使して自分の体を知り、最適な運動の仕方を追究する『体育を科学する』方向へ舵を切りました」
2025年度は、冬場に行われる長距離走「FUNRUN(ファンラン)」でこの機器を活用。児童がウォッチを装着して走ると、心拍数や距離がリアルタイムで計測され、運動強度が色(赤、オレンジ、緑、水色など)で可視化されます。別途設置されたモニターには全員のデータが一覧で表示され、教員も児童も現在の負荷状況を一目で把握できる仕組みです。
「『最後まで楽しく走り、また走りたくなる走り』をテーマにした4年生の実践では、子どもたちが自ら問いを立て、6つの視点で実験を行いました。例えば『音楽系』では明るい曲と暗い曲で走りやすさを比較したり、『心理系』では友達と並走する効果を検証したり。中には、体操服ではなくお気に入りのウェアで走ることで、気持ちにどう変化が出るかを試す『服装系』に挑戦した子もいました」
数値という客観的な裏付けがあることで、子どもたちの振り返りはより深いものになります。
「iPadで心拍数の推移を確認できるため、『このペースだと後半にしんどくなった』といった分析が可能です。中には『もっと早く走れるようになりたいから、あえて負荷を上げた走りに挑戦しよう』と考える子もいました。体育が単なる根性論ではなく、自分の体を客観的に理解する知的活動へと進化したのです」
また、このシステムの導入は安全管理の面でも大きなメリットがあります。
「ある子にとっては余裕のスピードが、別の子にとっては全力かもしれません。特に低学年の子は、自分の頑張りや疲労度を自覚しにくいものです。心拍数が可視化されることで、教員は一人ひとりに合わせた的確な声掛けができます。データに基づき、個別最適な指導ができる意義は非常に大きいですね」
今後はこの機器を準備体操や水泳など、さまざまなシーンへ取り入れていく予定だといいます。「体育を科学する」取り組みを通じて、子どもたちは自らの健康をマネジメントする「学びのオーナーシップ」を確実に身につけています。
「従来の体育といえば、順位を競うことに重きが置かれていました。しかし近年、文部科学省が『生涯スポーツ』を打ち出している通り、運動を楽しむ方向へと時代の流れが変わっています。本校ではその考えを一歩進め、テクノロジーを駆使して自分の体を知り、最適な運動の仕方を追究する『体育を科学する』方向へ舵を切りました」
2025年度は、冬場に行われる長距離走「FUNRUN(ファンラン)」でこの機器を活用。児童がウォッチを装着して走ると、心拍数や距離がリアルタイムで計測され、運動強度が色(赤、オレンジ、緑、水色など)で可視化されます。別途設置されたモニターには全員のデータが一覧で表示され、教員も児童も現在の負荷状況を一目で把握できる仕組みです。
「『最後まで楽しく走り、また走りたくなる走り』をテーマにした4年生の実践では、子どもたちが自ら問いを立て、6つの視点で実験を行いました。例えば『音楽系』では明るい曲と暗い曲で走りやすさを比較したり、『心理系』では友達と並走する効果を検証したり。中には、体操服ではなくお気に入りのウェアで走ることで、気持ちにどう変化が出るかを試す『服装系』に挑戦した子もいました」
数値という客観的な裏付けがあることで、子どもたちの振り返りはより深いものになります。
「iPadで心拍数の推移を確認できるため、『このペースだと後半にしんどくなった』といった分析が可能です。中には『もっと早く走れるようになりたいから、あえて負荷を上げた走りに挑戦しよう』と考える子もいました。体育が単なる根性論ではなく、自分の体を客観的に理解する知的活動へと進化したのです」
また、このシステムの導入は安全管理の面でも大きなメリットがあります。
「ある子にとっては余裕のスピードが、別の子にとっては全力かもしれません。特に低学年の子は、自分の頑張りや疲労度を自覚しにくいものです。心拍数が可視化されることで、教員は一人ひとりに合わせた的確な声掛けができます。データに基づき、個別最適な指導ができる意義は非常に大きいですね」
今後はこの機器を準備体操や水泳など、さまざまなシーンへ取り入れていく予定だといいます。「体育を科学する」取り組みを通じて、子どもたちは自らの健康をマネジメントする「学びのオーナーシップ」を確実に身につけています。
文学を多面的に読み解き、「問い」を深めるSTEAM教育
同校の教育実践は、メディアからも熱い注目を浴びています。2025年度には、BSテレビ東京の番組や毎日新聞などで、同校の「STEAM(スティーム)教育」が詳しく紹介されました。その中で取り上げられたのが、国語の教科書でお馴染みの名作『ごんぎつね』をSTEAMの視点で読み解く授業です。
「物語を文学的に鑑賞するだけでなく、STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)の多面的な視点を取り入れることで、子どもたちの学びは劇的に広がります」と今田校長は説明します。
「例えば、登場する『いわし』に着目して当時の流通や経済を紐解いたり、火縄銃の仕組みを科学的に考察したりといった具合です。当初、国語の担当教員には『物語の世界観が壊れるのではないか』という不安があったようです。しかし、実際に『視点カード』を活用してみると、子どもたちは自分たちの力で次々と新たな問いを見つけ出していきました。多面的なアプローチを取り入れることで、むしろ作品の世界をより深く捉えられるようになる。そんな確かな手応えを感じました」
今田校長は、この学びは小学校だけで完結するものではないと強調します。
「社会に出れば、どんな仕事でも、まず自ら興味・関心を持ち、情報を整理して納得できる解を導き出し、それを人に伝えるプロセスが求められます。こうした探究はそのプロセスそのものです。探究を通して得られた力は、最終的には『自分はどう生きるか』という人生の問いに向き合う力に繋がっていきます」
もちろん、基礎基本である漢字や計算の習得も疎かにはしません。着実な基礎学力という土台の上に、自ら学びを創り出す「学びのオーナーシップ」が重なることで、変化の激しい時代を生き抜く全方位的な強みが育まれていくのです。
「物語を文学的に鑑賞するだけでなく、STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)の多面的な視点を取り入れることで、子どもたちの学びは劇的に広がります」と今田校長は説明します。
「例えば、登場する『いわし』に着目して当時の流通や経済を紐解いたり、火縄銃の仕組みを科学的に考察したりといった具合です。当初、国語の担当教員には『物語の世界観が壊れるのではないか』という不安があったようです。しかし、実際に『視点カード』を活用してみると、子どもたちは自分たちの力で次々と新たな問いを見つけ出していきました。多面的なアプローチを取り入れることで、むしろ作品の世界をより深く捉えられるようになる。そんな確かな手応えを感じました」
今田校長は、この学びは小学校だけで完結するものではないと強調します。
「社会に出れば、どんな仕事でも、まず自ら興味・関心を持ち、情報を整理して納得できる解を導き出し、それを人に伝えるプロセスが求められます。こうした探究はそのプロセスそのものです。探究を通して得られた力は、最終的には『自分はどう生きるか』という人生の問いに向き合う力に繋がっていきます」
もちろん、基礎基本である漢字や計算の習得も疎かにはしません。着実な基礎学力という土台の上に、自ら学びを創り出す「学びのオーナーシップ」が重なることで、変化の激しい時代を生き抜く全方位的な強みが育まれていくのです。
生成AIの利用ガイドラインも子どもたちと共に作り上げる
生成AIの急速な普及を受け、同校では2025年度、初等部・中等部・高等部・大学が連携して生成AIのリテラシーに関するガイドラインを作成しました。特筆すべきは、このルール作り自体に子どもたちが参画している点です。
「ガイドラインをより自分たちが理解できるものにするために、当時の5年生(現6年生)に内容を確認してもらい、子どもたちの視点を取り入れて練り上げました。自分たちが納得できるルールを自分たちで創る。ここにも『学びのオーナーシップ』が反映されています」
同校では、生成AIのガイドライン作成にとどまらず、日々の授業を通じてもAIの回答を多面的・批判的に検討する力を養っています。
「1年生の授業でも『先生は人とAI、どちらがいいか』という議論を行いました。子どもたちからは『AIは表情を読み取れないけれど、先生は読み取ってくれる』『感情的な部分は人じゃないといけない』といった意見が活発に出されました。低学年のうちから、AIに任せていいことと、人だからできることを明確に意識させる。その積み重ねが、AI時代を生き抜くリテラシーの土台となります」
現在、同校では児童が自由にAIを使うことを制限していますが、教員が授業のスパイスとして活用する場面もあります。
「例えば、先生が『AI(通称:チャッピー)はこう言っているけれど、みんなはどう思う?』と投げかけます。本校が大切にしてきた『比較する』学びの中で、AIの意見を一つの視点として提示するのです。子どもたちはベン図などを使って自分の考えと比較し、情報の真偽や妥当性を判断する訓練を積んでいます」
今田校長自身も、自身の文章をAIに推敲させることがあると言います。「AIに修正させると重複はなくなりますが、あえて繰り返すことで強調したい想いまで消えて、機械的になってしまうことがあります。こうした違和感に気づくこと、つまり『自分の考えを大切にすること』こそが、AIに踊らされないための根本的な力になります」
小学校の6年間は、AIを使いこなすための準備段階と位置づけ、安易に頼るのではなく、あくまで自分の考えを構築するための道具として利用する。そんな賢い利用者としてのベースを築いていく考えです。
「ガイドラインをより自分たちが理解できるものにするために、当時の5年生(現6年生)に内容を確認してもらい、子どもたちの視点を取り入れて練り上げました。自分たちが納得できるルールを自分たちで創る。ここにも『学びのオーナーシップ』が反映されています」
同校では、生成AIのガイドライン作成にとどまらず、日々の授業を通じてもAIの回答を多面的・批判的に検討する力を養っています。
「1年生の授業でも『先生は人とAI、どちらがいいか』という議論を行いました。子どもたちからは『AIは表情を読み取れないけれど、先生は読み取ってくれる』『感情的な部分は人じゃないといけない』といった意見が活発に出されました。低学年のうちから、AIに任せていいことと、人だからできることを明確に意識させる。その積み重ねが、AI時代を生き抜くリテラシーの土台となります」
現在、同校では児童が自由にAIを使うことを制限していますが、教員が授業のスパイスとして活用する場面もあります。
「例えば、先生が『AI(通称:チャッピー)はこう言っているけれど、みんなはどう思う?』と投げかけます。本校が大切にしてきた『比較する』学びの中で、AIの意見を一つの視点として提示するのです。子どもたちはベン図などを使って自分の考えと比較し、情報の真偽や妥当性を判断する訓練を積んでいます」
今田校長自身も、自身の文章をAIに推敲させることがあると言います。「AIに修正させると重複はなくなりますが、あえて繰り返すことで強調したい想いまで消えて、機械的になってしまうことがあります。こうした違和感に気づくこと、つまり『自分の考えを大切にすること』こそが、AIに踊らされないための根本的な力になります」
小学校の6年間は、AIを使いこなすための準備段階と位置づけ、安易に頼るのではなく、あくまで自分の考えを構築するための道具として利用する。そんな賢い利用者としてのベースを築いていく考えです。
21,000冊を超える蔵書に加え、電子図書館『MottoSokka!』を導入
同校では、創立以来、豊かな読書体験を「思考力を育む教育の土台」として非常に大切にしてきました。
「関西大学の芝井敬司理事長も読書を強く推奨されており、毎年1年生の入学式には法人から本が1冊プレゼントされます。活字を通して、自ら考え、空想し、語彙力を高める。このプロセスこそが、すべての学習の基礎となります。授業でも自分のおすすめの本を紹介する『ブックトーク』の時間を設けるなど、本に触れる機会を日常的に創出しています」
校内には、用途の異なる2つのライブラリーが設置されています。
●「はてな館」:調べ学習を中心とした、探究のための図書館
●「わくわく館」:読書を楽しみ、感性を育むための図書館
驚くべきは、常駐の司書教諭3名を含む計5名もの専門スタッフが在籍している点です。季節ごとの特集ブースの設置や、著名な絵本作家・写真家を招いた「読書会」の開催など、子どもたちの知的好奇心を刺激する仕掛けが随所に施されています。
さらに2025年度からは、電子図書館サービス『MottoSokka!(もっとそっか!)』を本格導入しました。
「以前はデジタル書籍の数も限られていましたが、現在は約5,000冊にまで拡充されました。電子図書館の良さは、1冊の本を同時に何人でも読める点にあります。順番待ちの必要がなく、手元のiPadからいつでも読みたい本にアクセスできます」
登下校の電車内では紙の本を読み、自宅ではiPadで電子書籍を開く。2万冊を超える圧倒的な蔵書数と最新のデジタル環境が、子どもたちの「もっと知りたい」という欲求を力強く支えています。
「歩きながら本を読んでしまう子がいて注意することもあるほど(笑)、本好きの子どもが多いのは本校の自慢です。先生たちのおすすめ本を紹介するコーナーを作ったときは、非常に人気でした。本を通じた温かなコミュニケーションが校内のあちこちで見られます」
「関西大学の芝井敬司理事長も読書を強く推奨されており、毎年1年生の入学式には法人から本が1冊プレゼントされます。活字を通して、自ら考え、空想し、語彙力を高める。このプロセスこそが、すべての学習の基礎となります。授業でも自分のおすすめの本を紹介する『ブックトーク』の時間を設けるなど、本に触れる機会を日常的に創出しています」
校内には、用途の異なる2つのライブラリーが設置されています。
●「はてな館」:調べ学習を中心とした、探究のための図書館
●「わくわく館」:読書を楽しみ、感性を育むための図書館
驚くべきは、常駐の司書教諭3名を含む計5名もの専門スタッフが在籍している点です。季節ごとの特集ブースの設置や、著名な絵本作家・写真家を招いた「読書会」の開催など、子どもたちの知的好奇心を刺激する仕掛けが随所に施されています。
さらに2025年度からは、電子図書館サービス『MottoSokka!(もっとそっか!)』を本格導入しました。
「以前はデジタル書籍の数も限られていましたが、現在は約5,000冊にまで拡充されました。電子図書館の良さは、1冊の本を同時に何人でも読める点にあります。順番待ちの必要がなく、手元のiPadからいつでも読みたい本にアクセスできます」
登下校の電車内では紙の本を読み、自宅ではiPadで電子書籍を開く。2万冊を超える圧倒的な蔵書数と最新のデジタル環境が、子どもたちの「もっと知りたい」という欲求を力強く支えています。
「歩きながら本を読んでしまう子がいて注意することもあるほど(笑)、本好きの子どもが多いのは本校の自慢です。先生たちのおすすめ本を紹介するコーナーを作ったときは、非常に人気でした。本を通じた温かなコミュニケーションが校内のあちこちで見られます」
はてな館
わくわく館
同じ方向を向き、共に「納得できる学び」を創るパートナーとして
最後に、今田校長にこれからの関西大学初等部を担う子どもたち、そして保護者への想いを伺いました。
「私としては『どんなお子さん、どんなご家庭でも歓迎したい』というオープンマインドな気持ちでいます。ご縁があって入学されたお子さんを全力で受け入れ、本校でどう学んでいってもらうかを大切にしたいからです」
そう語る今田校長ですが、学校と家庭が同じ方向を向くことの重要性については、言葉に力を込めます。
「本校は12年間の一貫教育の中で、思考力を徹底的に磨く教育を行っています。ですから、『とにかく難しいペーパーテストの問題をたくさん解かせてほしい』といった、いわゆる受験特化型の知識習得のみを求められると、本校のあり方とはズレが生じてしまいます。子どもの失敗を認め、新しいことにチャレンジする姿勢を共に支えてくださる保護者の方々であってほしいと願っています」
同校は、保護者に対しても非常に開かれた学校です。月に1回程度は学校を訪れる機会があり、参観日や行事だけでなく、教育後援会主催の講演会なども活発に行われています。
「2025年度は、大学の先生を講師に招き、保護者向けのiPad講習会を開催しました。子どもたちが普段使っている『ロイロノート』や『シンキングツール』を実際に体験していただいたのですが、非常に好評でした。大人が実際に使ってみることで、子どもたちの学びに心から共感し、応援していただける。そんな関係性は、子どもたちの成長にもつながります」
「私としては『どんなお子さん、どんなご家庭でも歓迎したい』というオープンマインドな気持ちでいます。ご縁があって入学されたお子さんを全力で受け入れ、本校でどう学んでいってもらうかを大切にしたいからです」
そう語る今田校長ですが、学校と家庭が同じ方向を向くことの重要性については、言葉に力を込めます。
「本校は12年間の一貫教育の中で、思考力を徹底的に磨く教育を行っています。ですから、『とにかく難しいペーパーテストの問題をたくさん解かせてほしい』といった、いわゆる受験特化型の知識習得のみを求められると、本校のあり方とはズレが生じてしまいます。子どもの失敗を認め、新しいことにチャレンジする姿勢を共に支えてくださる保護者の方々であってほしいと願っています」
同校は、保護者に対しても非常に開かれた学校です。月に1回程度は学校を訪れる機会があり、参観日や行事だけでなく、教育後援会主催の講演会なども活発に行われています。
「2025年度は、大学の先生を講師に招き、保護者向けのiPad講習会を開催しました。子どもたちが普段使っている『ロイロノート』や『シンキングツール』を実際に体験していただいたのですが、非常に好評でした。大人が実際に使ってみることで、子どもたちの学びに心から共感し、応援していただける。そんな関係性は、子どもたちの成長にもつながります」
教育後援会主催の講演会
取材を終えて
今回のインタビューで最も印象的だったのは、今田校長の「学校に来た子は、どんな子でも受け入れて伸ばす」という温かな眼差しでした。
先端のテクノロジーを駆使した教育や万博での発表も、すべてはこの思いの上に成り立っています。学校の教育方針を理解し、親子で共に学ぶことを楽しめるご家庭にとって、同校はこれ以上ない成長の舞台となるはずです。
2027年度入試では、これまで1月下旬に行われていたB日程が12月中旬に実施されることになりました。このことにより、年内に進路を決め、お正月を落ち着いて迎えることができるようになります。
「学びのオーナーシップ」を掲げ、子ども・教員・保護者が一体となって未来の教育を創り出す同校。2027年度もまた、多くの新しい才能がこの門を叩くことになりそうです。
先端のテクノロジーを駆使した教育や万博での発表も、すべてはこの思いの上に成り立っています。学校の教育方針を理解し、親子で共に学ぶことを楽しめるご家庭にとって、同校はこれ以上ない成長の舞台となるはずです。
2027年度入試では、これまで1月下旬に行われていたB日程が12月中旬に実施されることになりました。このことにより、年内に進路を決め、お正月を落ち着いて迎えることができるようになります。
「学びのオーナーシップ」を掲げ、子ども・教員・保護者が一体となって未来の教育を創り出す同校。2027年度もまた、多くの新しい才能がこの門を叩くことになりそうです。








