雲雀丘学園小学校
一人ひとりにしっかり寄り添いたい!担任+副担任で見守る1クラス2名体制を1年生で導入
1学年4クラス編成、全校児童数が約850名と、私立小学校としては全国でも有数の児童数を誇る雲雀丘学園小学校。「高く、豊かに、たくましく」を教育目標に掲げ、子どもたちの可能性を伸ばすため、常に新しい挑戦を続けています。2025年度にスタートしたさまざまな取り組みや子どもたちの変化について、副校長の今井徹先生にお話を伺いました。
雲雀丘学園小学校 副校長 今井徹先生のお話
雲雀丘学園小学校 副校長 今井徹先生のお話

副校長 今井徹先生
雲雀丘学園小学校 副校長 今井徹先生のお話
1年生は1クラス教員2名体制で手厚く見守る
「これまで以上に、子どもたち一人ひとりにしっかりと目を向け、手厚い指導を行いたい」
そんな思いから、雲雀丘学園小学校では2025年度より、1年生のクラス運営をこれまでの「担任1名+学年団の教員2~3名で見守る体制」から、各クラスに副担任を固定で配置し「担任+副担任の2名で見守る体制」へと変更しました。
新体制がスタートして約1週間。「以前よりも心に余裕を持って、子どもたち一人ひとりをじっくり見守ることができる」という声が既に教員たちから聞こえてきているそうです。
今井副校長は、1クラス2名体制は教育環境の安全性を高めるだけでなく、教員の育成にも大きなプラスとなると話します。
「基本的には、1年生の担任経験が豊富な教員と、今後担任を任せたい教員をペアにしています。いきなり担任を任せられるのは、教員にとっても大きな負担です。先輩教員の指導を1年間そばで学んでもらい、その経験を担任になったときに生かしてもらいたいと思います」
最近では、複数の教員が担任をローテーションする「チーム担任制」を取り入れる学校も増えています。同校でも、将来的にはそうした仕組みの導入も視野に入れているそうです。
そんな思いから、雲雀丘学園小学校では2025年度より、1年生のクラス運営をこれまでの「担任1名+学年団の教員2~3名で見守る体制」から、各クラスに副担任を固定で配置し「担任+副担任の2名で見守る体制」へと変更しました。
新体制がスタートして約1週間。「以前よりも心に余裕を持って、子どもたち一人ひとりをじっくり見守ることができる」という声が既に教員たちから聞こえてきているそうです。
今井副校長は、1クラス2名体制は教育環境の安全性を高めるだけでなく、教員の育成にも大きなプラスとなると話します。
「基本的には、1年生の担任経験が豊富な教員と、今後担任を任せたい教員をペアにしています。いきなり担任を任せられるのは、教員にとっても大きな負担です。先輩教員の指導を1年間そばで学んでもらい、その経験を担任になったときに生かしてもらいたいと思います」
最近では、複数の教員が担任をローテーションする「チーム担任制」を取り入れる学校も増えています。同校でも、将来的にはそうした仕組みの導入も視野に入れているそうです。
マルチに使える新しい空間の誕生
雲雀丘学園では、学園全体で探究活動に力を入れています。小学校でも『総合的な学習の時間』の授業で、主体的かつ協働的な学びを進めています。そして、2025年度からは4年生以上のカリキュラムで『情報』を『総合的な学習の時間』へ統合。5・6年生は、前期は週1時間、後期は週2時間、実施するカリキュラムへと変更しました。
3年生までの『情報』でタイピングやプレゼンテーションに使うアプリの操作などの基本スキルを習得させます。4年生以上は『総合的な学習の時間』で3年生までに身に着けたスキルを発揮しながら学びを進めてもらいたいと考えています」
このカリキュラム変更に伴い、パソコン教室を改装し、隣接する旧音楽室との壁を取り払って一つの大きな学習空間へと生まれ変わらせる計画を進めています。完成後は『総合的な学習の時間』の授業をはじめ、『英語』や『社会』など、さまざまな教科でのグループワークやプレゼンテーションができる部屋をめざし、また保護者懇談会などにも活用することを考えているそうです。
「新教室では靴を脱いで床に座り、リラックスした雰囲気で学んでもらいたいと思っています。前には小さなステージも用意します。普通の教室ではなく、子どもたちが『楽しいな』『特別だな』と感じる空間にしたいですね。そうすることで、学びへのモチベーションが高まり、さらに「やってみたい」ことが湧き出てくるのではないかと期待しています」
3年生までの『情報』でタイピングやプレゼンテーションに使うアプリの操作などの基本スキルを習得させます。4年生以上は『総合的な学習の時間』で3年生までに身に着けたスキルを発揮しながら学びを進めてもらいたいと考えています」
このカリキュラム変更に伴い、パソコン教室を改装し、隣接する旧音楽室との壁を取り払って一つの大きな学習空間へと生まれ変わらせる計画を進めています。完成後は『総合的な学習の時間』の授業をはじめ、『英語』や『社会』など、さまざまな教科でのグループワークやプレゼンテーションができる部屋をめざし、また保護者懇談会などにも活用することを考えているそうです。
「新教室では靴を脱いで床に座り、リラックスした雰囲気で学んでもらいたいと思っています。前には小さなステージも用意します。普通の教室ではなく、子どもたちが『楽しいな』『特別だな』と感じる空間にしたいですね。そうすることで、学びへのモチベーションが高まり、さらに「やってみたい」ことが湧き出てくるのではないかと期待しています」


自分たちで考えて動く(考動)修学旅行
毎年新たな挑戦を続けている同校では、2025年度もさまざまな取り組みが始動しました。その中のひとつが、5年生の「自分たちで作る修学旅行」です。
6年生の修学旅行の行き先をこれまでの広島から長崎・熊本へ変更し、長崎での市街地散策をすべて自由行動としました。そして、子どもたちには「どこに行きたいか」「どう過ごすか」を個々に考え、計画を立ててもらったそうです。
今井副校長はこの取り組みを導入した目的について、皆で同じ行動をするのではなく、『自分が何をしたいのか』を自分で考え、それを実行する力を育てたいと考えた結果だ、と語ります。
「どのように過ごすかは自由にプランを練ってもらいました。何かの体験をする子もいれば、お土産物屋さんを目的地にする子もいましたね。その後、目的地が同じ仲間でグループを作り、行動プラン表を作成。必要な費用を見積もり、お小遣いとは別に必要な費用も考えさせました。」
自分たちで作る修学旅行以外に、3年生の「わたしたちのまち探検」でもグループで行きたい場所を決めて、グループごとに行動にしてもらっているのだとか。
「教員は保護者のボランティアと一緒についていくだけ。はじめてのおつかいのようなスタイルですね。見守るだけでアドバイスもしないんですよ。今回の修学旅行でも、教員はプラン表に基づいて、ポイントとなる場所で待機し、子どもたちの見守りに徹する予定です」
6年生の修学旅行の行き先をこれまでの広島から長崎・熊本へ変更し、長崎での市街地散策をすべて自由行動としました。そして、子どもたちには「どこに行きたいか」「どう過ごすか」を個々に考え、計画を立ててもらったそうです。
今井副校長はこの取り組みを導入した目的について、皆で同じ行動をするのではなく、『自分が何をしたいのか』を自分で考え、それを実行する力を育てたいと考えた結果だ、と語ります。
「どのように過ごすかは自由にプランを練ってもらいました。何かの体験をする子もいれば、お土産物屋さんを目的地にする子もいましたね。その後、目的地が同じ仲間でグループを作り、行動プラン表を作成。必要な費用を見積もり、お小遣いとは別に必要な費用も考えさせました。」
自分たちで作る修学旅行以外に、3年生の「わたしたちのまち探検」でもグループで行きたい場所を決めて、グループごとに行動にしてもらっているのだとか。
「教員は保護者のボランティアと一緒についていくだけ。はじめてのおつかいのようなスタイルですね。見守るだけでアドバイスもしないんですよ。今回の修学旅行でも、教員はプラン表に基づいて、ポイントとなる場所で待機し、子どもたちの見守りに徹する予定です」

修学旅行

わたしたちのまち探検
自己理解を深める「書く瞑想」を導入
同校では、1時間目が始まる前と帰りの会に2分間の「瞑想」を取り入れています。目を閉じて静かに過ごす時間を通して、心を落ち着かせて自らを振り返る方法を学んでいると今井副校長は説明します。
同校では、教育の大事な位置をしめるこの瞑想の時間に、2025年度から4年生以上でAIジャーナリングアプリ「muute for school」を導入しました。
ジャーナリングとは、その日あった出来事や感じたことを言葉にして振り返る作業のこと。自分の気持ちを整理し、自己理解を深める効果が期待されることから「書く瞑想」とも呼ばれています。
このアプリでは入力した内容をAIが分析し、子どもたち自身に感情や思考の傾向をフィードバック。教員には個別の入力内容は見えないものの、子どもたちの心理状態を色で知らせる仕組みが設けられています。アプリの導入を決めた理由について、今井副校長はこのように述べます。
「特に4年生以上になると、自分の悩みや考えを素直に教員へ伝えることが少なくなることもあります。アプリを使用することで、子どもたち自身の自己理解に加え、教員が子どもたちの状態を把握するのに役立つのではと考え、帰りの会の瞑想時間に取り入れました」
今後は心の状態を表す色の変化から子どもたちの心の変化に気づき、必要に応じて保護者と連携するなど、心のケアにも役立てていきたいと今井副校長は話します。
同校では、教育の大事な位置をしめるこの瞑想の時間に、2025年度から4年生以上でAIジャーナリングアプリ「muute for school」を導入しました。
ジャーナリングとは、その日あった出来事や感じたことを言葉にして振り返る作業のこと。自分の気持ちを整理し、自己理解を深める効果が期待されることから「書く瞑想」とも呼ばれています。
このアプリでは入力した内容をAIが分析し、子どもたち自身に感情や思考の傾向をフィードバック。教員には個別の入力内容は見えないものの、子どもたちの心理状態を色で知らせる仕組みが設けられています。アプリの導入を決めた理由について、今井副校長はこのように述べます。
「特に4年生以上になると、自分の悩みや考えを素直に教員へ伝えることが少なくなることもあります。アプリを使用することで、子どもたち自身の自己理解に加え、教員が子どもたちの状態を把握するのに役立つのではと考え、帰りの会の瞑想時間に取り入れました」
今後は心の状態を表す色の変化から子どもたちの心の変化に気づき、必要に応じて保護者と連携するなど、心のケアにも役立てていきたいと今井副校長は話します。

保護者からも好評のひばりデー
同校では、月に一度の土曜日に「ひばりデー」と呼ばれる特別な日を新たに設けました。子どもと保護者、教員が一緒になって、遊びや体験活動を楽しむこの日は、学年や立場を超えて交流を深める貴重な機会となっています。
初回は校内でのかくれんぼを実施。その後も、シャボン玉づくりやプール遊びをしたり、大きな学園グラウンドで自由に遊んだり、プロのダンサーにダンスを教わったり、子どもたちも保護者も楽しめるさまざまなプログラムを用意してきました。
「子どもたちはもちろん、多くの保護者の方にも参加していただき、『楽しかった!』という声をたくさんいただきました。保護者同士はもちろん、教員とも交流が深まり、改めて『学校と保護者がお互いを理解し合うことの大切さ』を実感しました。今はコロナの制限もなくなったので、保護者の皆さんにもぜひ積極的に参加していただきたいですね」
さらに、「保護者のひばりデー」と題した子育て講演会も開催。同校のカウンセラーによる講演では、涙ぐむ保護者の姿も見られたそうです。
「日々子育てをされていて、難しいと感じる時期もあるでしょう。講演会をきっかけに、カウンセリング・ルームを利用するハードルが下がったという声もいただきました。子どもたちは保護者の心の影響を受けやすいので、保護者の心の健康もとても大切だと考えています。今後も、子育てのヒントとなるような講演会を継続的に企画していきたいと思います」
初回は校内でのかくれんぼを実施。その後も、シャボン玉づくりやプール遊びをしたり、大きな学園グラウンドで自由に遊んだり、プロのダンサーにダンスを教わったり、子どもたちも保護者も楽しめるさまざまなプログラムを用意してきました。
「子どもたちはもちろん、多くの保護者の方にも参加していただき、『楽しかった!』という声をたくさんいただきました。保護者同士はもちろん、教員とも交流が深まり、改めて『学校と保護者がお互いを理解し合うことの大切さ』を実感しました。今はコロナの制限もなくなったので、保護者の皆さんにもぜひ積極的に参加していただきたいですね」
さらに、「保護者のひばりデー」と題した子育て講演会も開催。同校のカウンセラーによる講演では、涙ぐむ保護者の姿も見られたそうです。
「日々子育てをされていて、難しいと感じる時期もあるでしょう。講演会をきっかけに、カウンセリング・ルームを利用するハードルが下がったという声もいただきました。子どもたちは保護者の心の影響を受けやすいので、保護者の心の健康もとても大切だと考えています。今後も、子育てのヒントとなるような講演会を継続的に企画していきたいと思います」


令和8年度入試から9月に2回の入試を実施
同校では令和8年度入試から、A日程を前期(9月6日)・後期(9月20日)に分け、9月中に2回の適性検査を実施します。前期は専願のみ、後期は専願・併願とも受検可能で、募集人員は合わせて135名(内部進学者を含む)となる予定です。
適性検査内容は前期・後期とも親子面接と口頭試問です。口頭試問の領域が前期は「ことば・数量図形・環境自然・健康・人間関係・絵画」、後期は「ことば・健康・人間関係・絵画」と異なります。
「口頭試問の領域が後期の方が少ないので一見負担が少ないように見えますが、もちろん前期で合格者を多く出す予定です。雲雀丘で勉強したいお子さんに来ていただきたいという思いから。本校を志望の方には、ぜひ前期で受けていただきたいですね」
適性検査内容は前期・後期とも親子面接と口頭試問です。口頭試問の領域が前期は「ことば・数量図形・環境自然・健康・人間関係・絵画」、後期は「ことば・健康・人間関係・絵画」と異なります。
「口頭試問の領域が後期の方が少ないので一見負担が少ないように見えますが、もちろん前期で合格者を多く出す予定です。雲雀丘で勉強したいお子さんに来ていただきたいという思いから。本校を志望の方には、ぜひ前期で受けていただきたいですね」
取材を終えて
今回ご紹介した「ひばりデー」では、1年生限定の特別イベントも実施されました。
当日は約120組ものご家庭が参加し、ミニ運動会や工作、カレーパーティーなど、親子で楽しい時間を過ごしたそうです。
私立小学校には、幅広い地域から子どもたちが集まります。そのため、「知り合いがいない」「クラスメイトの顔と名前が一致しない」と不安を感じる保護者も多いことでしょう。ですが、こうしたイベントに参加することで、保護者同士の距離もぐっと縮まります。
子どもだけでなく、保護者同士のつながりを大切にしてくれる小学校は、実はそれほど多くありません。準備や運営には先生方の負担もあるはずですが、それでもこうした機会を設けているのは「学校と保護者が手を取り合い、子どもたちを育てていきたい」という思いの表れだと感じました。
安心安全を大切に「ワクワク」を常に提供してくれる同校の教育を、ぜひ一度、学校説明会で確認されてみてはいかがでしょうか。
私立小学校には、幅広い地域から子どもたちが集まります。そのため、「知り合いがいない」「クラスメイトの顔と名前が一致しない」と不安を感じる保護者も多いことでしょう。ですが、こうしたイベントに参加することで、保護者同士の距離もぐっと縮まります。
子どもだけでなく、保護者同士のつながりを大切にしてくれる小学校は、実はそれほど多くありません。準備や運営には先生方の負担もあるはずですが、それでもこうした機会を設けているのは「学校と保護者が手を取り合い、子どもたちを育てていきたい」という思いの表れだと感じました。
安心安全を大切に「ワクワク」を常に提供してくれる同校の教育を、ぜひ一度、学校説明会で確認されてみてはいかがでしょうか。
