取材レポート

帝京大学小学校

帝京大学小学校「総合学習・英語・帝翔塾」

帝京大学小学校
教頭 澁谷 惠美子 先生
副教頭 等々力 將仁 先生 のお話


授業と放課後のプログラムを取材しました

帝京大学小学校 教頭 澁谷惠美子 先生  副教頭 等々力將仁 先生のお話

レゴの授業では過程を重視

8年ほど前にレゴを使った授業を始めて以来、教師たちも試行錯誤しながらオリジナルのテキストで授業を行っています。低学年では自分の考えやイメージを形にして表現する力、高学年ではロボットのプログラミングをすることで論理的な思考力を磨いていきます。どの学年でも大切にしていることは、目的を達成するためにはどうすればよいか自分たちで考えることです。子どもたちは、グループ内で相談したり、他のグループのやり方を参考にしたりして、失敗を繰り返しながら何度も試し、目的を達成するためのルートを自分たちで見つけていきます。
テストの点数で成績が決まる教科の場合、自信が持てず自分の意見を言えない子どももいます。しかし、レゴを用いた授業では、勉強が得意な子でも失敗することはありますし、他の教科より意見が言いやすい雰囲気です。レゴ は、失敗を恐れずに試してみようという気持ちを引き出し、意見を出し合える環境を作る力があるのだと思います。大人が思いつかないような発想をすることもあり、それがレゴを使った授業の面白さなのですが、教師にとっては難しい部分でもあります。子どもたちの反応を見ながら柔軟に対応し、飽きさせない授業内容を考えていきたいところです。

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「使える英語」の基礎を培う6年間

英語の授業は、ネイティブ教諭と日本人英語教諭の2名体制で1年生から週2回行っています。ネイティブ教諭の主導により英語でテンポよく進められ、状況に応じて日本人教諭がサポート。ネイティブ教諭は、朝の登校時に子どもたちを迎えたり、休み時間に子どもたちと一緒に体を動かして遊ぶなど、授業以外でも積極的にコミュニケーションをとっています。英語で話しかけられた子どもには、英語で返して先生を喜ばせたいという気持ちが芽生えてくるので、自然と英語を話す機会も多くなりました。
本校では、たとえ英語が得意でなくても、嫌いにはならない授業や環境が重要だと考えています。日頃から外国人と接することに慣れていると、物怖じせずに外国人とコミュニケーションできるようになります。その成果を実感できるのが、4・5年生の希望者を対象に行っているイギリスでの語学研修です。子どもたちは、スーパーの店員などと日本語を交えながらも積極的に会話を楽しみます。子どもの頃からネイティブの発音に触れていることで耳が肥えていき、そのリスニング力は大人になってからでは得がたい財産となるのです。
5年生からは、日本人教諭による文法の授業が週1回加わり、英語の授業は週3回。文法の授業では、単語テストを行ったり、辞書の使い方なども学ぶので、中学生になってからも気持ちに余裕を持って英語の授業が受けられます。本校で培った英語力が中学校の授業やテストで開花していく卒業生も多く、毎年嬉しい報告が届いています。

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放課後の施設と時間を有効活用

放課後には、教室と同じ棟にある専科教室などを活用し、特定非営利活動法人「放課後NPOアフタースクール」と協力してアフタースクール「帝翔塾」を行っています。授業が終わったら、子どもたちはそのまま校内を移動するだけでよいので安全です。保護者の就労条件に関係なく利用でき、習い事として人気のレプトン(英語教室)やそろばん、サッカーなど、多彩なプログラムを用意しています。
習い事をさせたいと思っても、共働きの家庭などは平日に通わせることが難しいという声を多く聞きます。放課後に校内で習い事ができれば、土日は親子で過ごす時間を確保できるようになるでしょう。また、トップアスリートの指導にも関わっているコーチなど、各プログラムの講師はレベルが高く、時間と手間をかけて探さなくても優秀な講師の指導が受けられるのも魅力です。グランドピアノを使ってマンツーマン指導が受けられるピアノ教室は特に人気があり、本校の体育館を使って発表会も行っています。

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授業と放課後のプログラムを取材しました

レゴでプログラミングの楽しさを知る総合学習

6年生の総合学習では、レゴのロボット教材を使ったプログラミングの授業が行われていました。2人1組で1台のロボットとパソコンを使い、課題をクリアしていきます。この日の課題は、「橋を渡ってゴールを目指そう」。パソコン上のソフトでロボットの動きをプログラミングして、ロボットに転送して動かします。専用ソフトは、アイコン化されたブロックを組み立ていくことで、「前進」や「回転」などの動きをプログラミングできるようになっています。
子どもたちのパソコンをのぞくと、目指すゴールは同じでも、組まれたプログラムはグループごとに様々でした。また、プログラムを組むまでにじっくりと考えるグループ、とりあえず試してみてプログラムを組み直していくグループなど、プログラムを完成させるまでの過程も様々です。これらを1人で進めるのではなく、グループで進めて行くことにも大きな意味があります。どのグループも活発に意見を出し合い、時には他のグループに刺激を受けながらゴールを目指していました。

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クラスごとに最適化された英語の授業

取材した英語の授業(5年生)は、2チームに分かれてゲーム対決をしながら進められました。しかし、全てのクラスでこのような授業が行われているわけではありません。ネイティブ教諭、日本人教諭、そして低学年は担任教諭も交えて意見交換を行い、そのクラスの特徴や子どもたちの性格などを考慮して、どのような授業にするか決められます。同じ授業は二度とないほどカスタマイズされた授業は、少人数制だからこそ実現できるのです。
このクラスでは、チーム対抗戦を行うことで適度に競争意識が刺激され、やる気や集中して聴こうとする気持ちがうまく引き出されていました。先生が得点を入れ間違えた際には、大柄な外国人に対しても気後れせずに間違いを指摘する場面も見られ、日頃からコミュニケーションをとっている成果だと思います。
この日の授業では、「9時34分」「10時15分」などの時間を聞き取ってデジタルやアナログの時計で表したり、先生の指示を聞き取って「立つ」「座わる」「手を挙げる」などの動作をするゲームが行われました。「15(fifteen)」と「50(fifty)」などは聞き間違えやすいですが、子どもたちは自然に聞き取っています。答えが2つあるクイズやボーナスチャンスなど、ゲームとして盛り上がる要素も随所に盛り込まれ、とにかく子どもたちが楽しそうに取り組む姿が印象的でした。

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学年を越えた交流も魅力のアフタースクールプログラム

今回取材したのは、昔遊びをテーマにした「スペシャルプログラム」。ベーゴマで遊ぶ日などもあり、とても人気のあるプログラムです。この日は、ゼムクリップを使ってUFOキャッチャー を作りました。早い時間に授業が終わる低学年は、私服に着替えてリラックス。しかし講師の説明が始まると真剣な表情になり、集中してUFOキャッチャー作りに取り組んでいました。難しい部分は上級生が下級生に教えてあげるなど、学年を越えた交流ができるのもこのプログラムの魅力です。

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取材協力

帝京大学小学校

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TEL: 042-357-5577

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