西武学園文理小学校
学校が生まれ変わるとき。バイリンガルスクール化に向けた取り組みの今
西武学園文理小学校の校長として2年目を迎え、学校改革をさらに加速させているのはバイリンガルスクール化をビジョンに掲げるマルケス ペドロ先生です。日本国内だけではなく、海外の学校をみずから視察したからこそ気づく現状の課題と未来の学校像について語っていただきました。マルケス ペドロ先生が思い描くバイリンガルスクールとは、また子どもたちが本気になって取り組むガチ・プロジェクトについてもお話を伺いました。
西武学園文理小学校 校長 マルケス ペドロ先生のお話
西武学園文理小学校 校長 マルケス ペドロ先生のお話
校長 マルケス ペドロ先生
西武学園文理小学校 校長 マルケス ペドロ先生のお話
バイリンガルスクールとは? インターナショナルスクールとの違い
私はこれまでシンガポールや中国、イタリア、イギリス…などいろんな国を訪ね、各地で行われているバイリンガル教育を実際に見てきました。そこで感じたのは日本の教育とレベルがぜんぜん違うということ。それを目の当たりにした人はみんな危機感を持ったと思います。このままじゃヤバいと…。英語をいまだに教科として学んでいるのもそうですね。
これからさらに国際化が進んで少子高齢化による課題も数多くある中で、国際的に活躍できる日本人を育てることが求められています。
前回の取材「自分の人生に主体性を持って行動する“主人公教育”を実践」でもお話ししましたが、西武学園文理小学校ではバイリンガルスクール化に向けた取り組みを進めています。日本にはバイリンガルスクールが少ないため、インターナショナルスクールと同じように捉えている方がほとんどだと思います。
インターナショナルスクールと大きく異なるのは文部科学省が定める学習指導要領に基づいたカリキュラムで授業を行うという点です。日本の学校が大切にしてきたアイデンティティつまり日本語や日本の文化について学ぶのはもちろん、世界に通用する英語力、国際感覚を身につけられるのがバイリンガルスクールの特徴です。
これからさらに国際化が進んで少子高齢化による課題も数多くある中で、国際的に活躍できる日本人を育てることが求められています。
前回の取材「自分の人生に主体性を持って行動する“主人公教育”を実践」でもお話ししましたが、西武学園文理小学校ではバイリンガルスクール化に向けた取り組みを進めています。日本にはバイリンガルスクールが少ないため、インターナショナルスクールと同じように捉えている方がほとんどだと思います。
インターナショナルスクールと大きく異なるのは文部科学省が定める学習指導要領に基づいたカリキュラムで授業を行うという点です。日本の学校が大切にしてきたアイデンティティつまり日本語や日本の文化について学ぶのはもちろん、世界に通用する英語力、国際感覚を身につけられるのがバイリンガルスクールの特徴です。
日本語と英語で1つの授業を行う新しい授業スタイル
授業は日本人の教員と国際教員の2人1組でティームティーチングを行います。国際教員というのは従来のALT(Assistant Language Teacher)ではなくAST(Assistant Subject Teacher)を指します。英語を話すだけではなく、英語を使って実際に教科を教えることのできる教員です。
今年中に15名のASTを採用する計画で、最終的に日本人教員と国際教員の人数が半々になる予定です。つまり授業時間以外にも英語を使用する機会が増え、自然と英語が身に付くような環境を作ります。
実際の授業はどうするのかというと、国語を除くすべての教科において日本語と英語の2つの言語で授業を行います。例えば、日本人教員がメインで算数を教えるときは国際教員がクラスの中を回りながら子どもたちの学習をサポートします。一方、国際教員が英語で算数を教えるときは、英語の理解を促すよう日本人教員がサポート側にまわります。交互で授業をすることによって子どもたちは自然と英語に慣れていくようになります。
学校説明会でも入学時点の英語力はゼロで良いと保護者の方に伝えています。本校にはアフタースクールの充実したプログラムもありますし、将来的には日本語がわからない子にも来て欲しいと考えています。バイリンガルスクールでは英語や日本語の力を身につけるだけでなく、もっと根本的なところの学びを追求したいんです。学力も批判的思考も非認知能力もすべて小学校から2言語でやりたいです。
今年中に15名のASTを採用する計画で、最終的に日本人教員と国際教員の人数が半々になる予定です。つまり授業時間以外にも英語を使用する機会が増え、自然と英語が身に付くような環境を作ります。
実際の授業はどうするのかというと、国語を除くすべての教科において日本語と英語の2つの言語で授業を行います。例えば、日本人教員がメインで算数を教えるときは国際教員がクラスの中を回りながら子どもたちの学習をサポートします。一方、国際教員が英語で算数を教えるときは、英語の理解を促すよう日本人教員がサポート側にまわります。交互で授業をすることによって子どもたちは自然と英語に慣れていくようになります。
学校説明会でも入学時点の英語力はゼロで良いと保護者の方に伝えています。本校にはアフタースクールの充実したプログラムもありますし、将来的には日本語がわからない子にも来て欲しいと考えています。バイリンガルスクールでは英語や日本語の力を身につけるだけでなく、もっと根本的なところの学びを追求したいんです。学力も批判的思考も非認知能力もすべて小学校から2言語でやりたいです。
教職員向けの英会話教育や人事部を設置して組織を改変
バイリンガル教育を行うにあたって、日本人教員も英語が最低限話せるようにならないと授業が成り立ちません。そこで中学校にいたALTを小学校に配置して、教職員向けの英会話個別レッスンを行なっています。この1年間である程度の英会話はできるようになったと思います。
また教職員のマネジメントをするため学校内に人事部を設置しました。従業員が数百人もいるようなIT企業で人事を担当していたフランス人のスタッフです。これから起こりうるコミュニケーションの課題などをひとつずつ解消していく予定です。
日本の英語教育というと欧米中心で考えることが多いですが、英語は世界中の人が使っている言語だからこそ採用する国際教員もいろんな国籍、バックグラウンドを持った人が良いと思います。アメリカ英語、イギリス英語だけではなく、いろんなアクセントに慣れておいた方が良い。人口を考えたらインド英語も良いですね。
また教職員のマネジメントをするため学校内に人事部を設置しました。従業員が数百人もいるようなIT企業で人事を担当していたフランス人のスタッフです。これから起こりうるコミュニケーションの課題などをひとつずつ解消していく予定です。
日本の英語教育というと欧米中心で考えることが多いですが、英語は世界中の人が使っている言語だからこそ採用する国際教員もいろんな国籍、バックグラウンドを持った人が良いと思います。アメリカ英語、イギリス英語だけではなく、いろんなアクセントに慣れておいた方が良い。人口を考えたらインド英語も良いですね。
英語を自由自在に扱って世界で活躍できる日本人を育成
バイリンガル教育によってどんな子どもを育てたいか、それは英語を自由自在に扱って世界で活躍できる日本人です。現時点でネイティブレベルの英語力を身につけられるのはインターナショナルスクールくらいかなとは思いますが、国語をはじめそれ以外の教科に学力の不安を感じている保護者の方が多くいるのも事実です。
さらにインターナショナルスクールに通う子どもの多くは、将来、海外に住みたいとか海外で働きたいと考えているのがほとんで、国際的に活躍できる人を育ててもそのまま海外に輸出してしまっているような状況です。
そうではなくて私は日本のために動ける日本人が必要だと考えます。海外でも活躍できるし、英語を使って日本のために働いてなおかつ稼げる日本人が必要です。だからこそ私は日本の学校というアイデンティティにこだわりたいですね。
あとはバイリンガルスクール化によって進路の広がりも生まれます。もちろん日本の学校なので日本の学校を受験することもできますし、一定レベルの英語教育を受けた修了書を学校が発行することによって海外の学校を受験するのにも役立ちます。将来的には国際バカロレアのような機関に登録して、国際的な教育プログラムを提供したいとも考えています。
さらにインターナショナルスクールに通う子どもの多くは、将来、海外に住みたいとか海外で働きたいと考えているのがほとんで、国際的に活躍できる人を育ててもそのまま海外に輸出してしまっているような状況です。
そうではなくて私は日本のために動ける日本人が必要だと考えます。海外でも活躍できるし、英語を使って日本のために働いてなおかつ稼げる日本人が必要です。だからこそ私は日本の学校というアイデンティティにこだわりたいですね。
あとはバイリンガルスクール化によって進路の広がりも生まれます。もちろん日本の学校なので日本の学校を受験することもできますし、一定レベルの英語教育を受けた修了書を学校が発行することによって海外の学校を受験するのにも役立ちます。将来的には国際バカロレアのような機関に登録して、国際的な教育プログラムを提供したいとも考えています。
2026年度から小学校でも始まったガチ・プロジェクト
これまで中学、高校で取り組んできたガチ・プロジェクトですが、今年度から小学校でも取り組みを始めました。4月25日(土)にキックオフを行い、イベントの企画・運営、制服デザイン、学校説明会の企画・運営、学校案内パンフレットの制作やHPの制作など5つのプロジェクトが動き出しました。
ガチというのは本気という意味で、それぞれ外部の専門家を招いて一緒にプロジェクトに取り組みます。普段の授業ではなかなかやる気の出ないような子どもでも、リアルなプロジェクトに関わることで、さまざまな体験を通していろんな力が身に付きます。
これから予定されている学校説明会にもぜひ注目してください。これまでのように教員があらかじめ用意した原稿を子どもたちがそのまま読むというのではなく、子どもたちがみずから考えた内容をもとに発表を行います。英語で発表するグループもあれば日本語で発表するグループもあり、また日程によっては発表する人が変わったり、内容や構成が変わったりする可能性もあります。
また10月のハロウィンイベントも今年は小中高生みんなで取り組む予定です。ハロウィンイベントの目玉企画と言えば巨大お化け屋敷ですが、その一部を小学生が企画することになりました。このイベントは狭山市との協働事業として行なっているもので、地域活性化や世代間交流の場をつくるイベントとして2024年から始まりました。去年は約4,000人もの来場者数があり、15教室を使った所要時間45分の巨大お化け屋敷もたくさんの人に楽しんでいただきました。今年もどんなイベントになるか今から楽しみです。
ガチというのは本気という意味で、それぞれ外部の専門家を招いて一緒にプロジェクトに取り組みます。普段の授業ではなかなかやる気の出ないような子どもでも、リアルなプロジェクトに関わることで、さまざまな体験を通していろんな力が身に付きます。
これから予定されている学校説明会にもぜひ注目してください。これまでのように教員があらかじめ用意した原稿を子どもたちがそのまま読むというのではなく、子どもたちがみずから考えた内容をもとに発表を行います。英語で発表するグループもあれば日本語で発表するグループもあり、また日程によっては発表する人が変わったり、内容や構成が変わったりする可能性もあります。
また10月のハロウィンイベントも今年は小中高生みんなで取り組む予定です。ハロウィンイベントの目玉企画と言えば巨大お化け屋敷ですが、その一部を小学生が企画することになりました。このイベントは狭山市との協働事業として行なっているもので、地域活性化や世代間交流の場をつくるイベントとして2024年から始まりました。去年は約4,000人もの来場者数があり、15教室を使った所要時間45分の巨大お化け屋敷もたくさんの人に楽しんでいただきました。今年もどんなイベントになるか今から楽しみです。
「生まれ変わらなきゃいけない」校長先生の強い思い
最後に校長先生から入学を検討されている方に向けてメッセージをいただきました。
「西武文理はいま生まれ変わらなきゃいけないと思います。中学校では先行してバイリンガルクラスを新設しましたが、小学校でも2027年4月からバイリンガル教育が始まります。
またこれまでのかたいイメージからかたくない学校にします。例えば、ランドセルじゃなきゃいけないという考え方をやめます。親が学校に来るときはスーツじゃなきゃいけないというのもやめます。学校でiPadを充電しちゃいけないというのも、シャーペンを使っちゃいけないというのも、学校や大人たちが決めることではなく子どもたち自身に判断して欲しいと思います。あくまで学びの中心は子どもたちであり、学校は子どもたちを管理する場所ではないからです。
また西武文理は失敗しても良い学校です。守られた環境だからこそたくさん失敗してください。チャレンジする過程での学びは財産です。そういう現代的でカジュアルなイメージの学校にしていきたいと思います!
「西武文理はいま生まれ変わらなきゃいけないと思います。中学校では先行してバイリンガルクラスを新設しましたが、小学校でも2027年4月からバイリンガル教育が始まります。
またこれまでのかたいイメージからかたくない学校にします。例えば、ランドセルじゃなきゃいけないという考え方をやめます。親が学校に来るときはスーツじゃなきゃいけないというのもやめます。学校でiPadを充電しちゃいけないというのも、シャーペンを使っちゃいけないというのも、学校や大人たちが決めることではなく子どもたち自身に判断して欲しいと思います。あくまで学びの中心は子どもたちであり、学校は子どもたちを管理する場所ではないからです。
また西武文理は失敗しても良い学校です。守られた環境だからこそたくさん失敗してください。チャレンジする過程での学びは財産です。そういう現代的でカジュアルなイメージの学校にしていきたいと思います!
編集後記
今回は「生まれ変わらなきゃいけない」という強いひと言に象徴される取材でした。15名もの教員を新たに採用し、日本語と英語の2つの言語を日常的に使用する授業を新たに確立するのはどれほどチャレンジングな試みか、想像の域をはるかに超える内容でした。また同時に実際にどのような授業が展開されるのか、それによって子どもたちはどんな反応を示すのか、バイリンガル教育の現場をその目で見てみたいと思いました。








