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入試情報
2022年度の入試問題を分析! Vol.1

2022年09月02日

2022年度入試(2021年秋に実施)について、理英会の宮内仁志先生に分析していただきました。

 
■コロナ禍での工夫

小学校入試では、面接、ペーパー、絵画制作、運動、行動観察、個別テストなどの組み合わせにより、選考が行われます。小学校で集団生活を送る上で必要となる協調性などをみるために、自由遊びなどを通して行われるのが行動観察です。2021年度入試(2020年秋に実施)では、新型コロナウイルスの影響で、行動観察を実施しない学校や使う道具などを変えた学校がありました。2022年度も同様に、共有物を使わずに、ティッシュペーパーや付箋など、使い捨てができるものを使うなどの工夫が見られます。

全体の試験時間を短縮した学校もあり、代表的な例が横浜雙葉小学校です。例年はお弁当を持参して、5時間半にわたって行われていましたが、2021年度、2022年度はお弁当なしで2時間程度の試験となりました。

 
■映像やCDによる出題の増加

どの学校でも一題は出題されているのが、「お話の記憶」です。お話を聞き、内容について、ペーパーか口頭で質問に答えます。話の長さは、長いものから短いものまで学校によって様々です。「お話の記憶」でみたい力は、記憶力ではありません。お話を聞いて、理解する力です。「お話の記憶」には、CDを使う学校が多くなりました。話す速度 や話す先生の性別、強弱のつけ方などにより、話の印象が違ってきます。どの教室でも平等になるように、同じ音源を使うようになってきました。

「絵画制作」などでも、教室で先生がお手本を見せるのではなく、お手本を映像化して見せる学校が増えました。各教室でお手本を見せると、先生の技術に差がある場合もあります。不公平感が出ないように、映像が使われるようになりました。

理英会 宮内仁志先生

理英会 宮内仁志先生

■過去問にないパターン

難関校では、過去問などでは見たことのないパターンの問題が増えています。練習されている問題は、質問の仕方を変えたりしているので、大人にとってはそれほど変わらないことでも、子どもにとっては難しくなったかもしれません。

過去問をやると、パターンで覚えてしまいがちですが、答えに至る過程が大切です。例えば、「系列問題」では、絵の場合、数字の場合、アルファベットの場合など、様々なバリエーションが考えられます。パターンで覚えているだけでは、絵はできるけれど数字になるとできないということもあるでしょう。同じパターンを繰り返すトレーニングをすればいいというわけではなく、どうしてその答えになったのかを考えることが必要です。2種類の規則性を合体させた問題などもあり、今後も新しい形の出題が出てくるでしょう。
※系列問題は、図形や数字など、決まったルールに従って並んでいるマス目の中で、空欄になっている部分を埋めるという問題。

(例題:系列問題)

 
■小学校入試の透明性への期待

2022年4月に、日本の公立校では初めての小中高一貫校、東京都立立川国際中等教育学校附属小学校が開校しました。教育の特色として、12年間の独自探究プログラム、小学1年生から英語の授業を週4時間実施、CLIL(内容言語統合型学習)的な学びにより内容を重視した語学学習、小学1年生から第二外国語(韓国語、中国語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、アラビア語)にふれる機会の設定などが挙げられています。一般枠の募集人員は58人(男女各29人)のところ1797人の応募があり、応募倍率は30.98倍となりました。

この入試で注目すべき点は、入学者決定方法が開示されたことです。出題方針や問題例だけでなく、配点まですべて学校のホームページで公開されました。ここまで開示された小学校入試は、初めてです。これを機に、小学校入試の透明性が向上することへの期待が高まっています。

 
●取材協力:理英会
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