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保護者に代わって幼児教室に聞きました!お受験に関する素朴な疑問 Vol.5「得意なこと、苦手なこと」

2022年11月24日

今回は「得意なこと、苦手なこと」をテーマに、ジャック幼児教育研究所の吉岡俊樹先生にお話を聞きました。

 
Q.好きな電車のことなら覚えられますが、他のことはなかなか覚えてくれません。

吉岡先生:大人の場合、弁護士になるためには○○大学に入るのがよい、そのためには○○小学校に入って・・・・・・などと目標を立てます。しかし、幼児には「パパがお医者さんだから、僕もなりたい」といった憧れの気持ちはありますが、長期的な目標はないのです。これまで生きてきた時間が少ないので、将来のことを考えるための材料がありません。まず、保護者がそれを理解することが大切です。電車のことを覚えられるなら、記憶力は優れているのです。「好きこそものの上手なれ」で、電車を活用してやる気や自信を引き出してあげる方が近道だと思います。

Q話すことが苦手なので、面接が心配です。

吉岡先生:ご自身が受験勉強や部活動を頑張ってきた保護者の中には、頑張らせれば必ず克服できると思っている方も多くいます。しかし、自分と同じように克服できると思ってしまうと、子どもは家庭学習がつらくなってしまいます。特に、発言力は心理的な要素が強いので、口数の少ない子をおしゃべりが得意な子と比較してしまうと、口だけでなく心も閉ざしてしまいます。「口数の少ない子」から「おしゃべりが得意な子」を目指すのではなく、その真ん中ぐらいを目指しましょう。学校ごとに、評価する項目はいくつかあります。弱いところは最低ラインのクリアを目指して、得意なところで点を取ればよいのです。

Q.得意なことと苦手なこと、それぞれどのように伸ばしていけばよいですか?

吉岡先生:学校にもよりますが、試験で評価される項目の中で、大きく落とすところがない方がよいでしょう。弱点を補っておく必要はありますが、すぐには得意にならないので、我慢強く待つことが大切です。食べ物でも、嫌いなものばかり食べさせてすぐに好きになるかというと、そうではありませんね。上手にやっている家庭のお母さんは、好きな項目の合間にうまく取り入れているようです。また、速度が遅いという悩みもよく聞きます。例えば折り紙でも、とても丁寧に折る子がいます。角をピッタリ合わせないと折る工程に進まない子などは、「失敗したくない」という気持ちが強いからだと思います。しかし、試験のことを考えると、ある程度時間との折り合いをつけなければなりません。そのような場合は、好きなだけ時間を使って良いときと、時間制限のある中で折るとき、両方の機会を作るとよいでしょう。そうすれば長所を伸ばして自信を持たせることが出来ます。いつも急かすと雑になってしまい、持ち味の丁寧さまでも失われてしまいます。

 
Q.共働きなので、なかなか子どもとの時間が取れません。

吉岡先生:季節を感じることや、新しい発見につながる体験は、旅行を始めとするイベントを考えなくても身の回りにたくさん転がっています。例えば、保育園や幼稚園の送り迎えの途中で見たものは、大人が思っている以上に子どもの記憶に残っているものです。植物などに目を向けて会話を楽しむことが、小さな体験につながります。保護者がアンテナを張っているかどうかで、コミュニケーションの内容も大きく変わるでしょう。気になることを一緒に調べてみることで、知識が増えるだけでなく、興味を持つようになり、それが記憶する力にもつながるのです。

 

 

★今回のポイント★
生活の中の1コマで学ぶ積み重ねが大切

「植物の変化や花の色が変わることから季節を感じるなど、小さな経験や体験から得るものは、お受験を成功させるためにもとても大切です。塾や家庭で季節に関する対策をしていることは学校側も知っているので、「夏の花はどれ?」などのストレートな問題は少なくなりました。少しひねって、生活の中で体験しているかを見る問題が出ます。例えば、アジサイとヒマワリはどちらが先に咲くか知らないと、答えを出せない問題が出題されました。お受験のためにひたすらお勉強としてやるのではなく、生活の中に上手に取り入れて学びを積み重ねていくことが大切です。」(吉岡先生)

 
●取材協力:ジャック幼児教育研究所
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