取材レポート

東京女学館小学校

創立100周年まであと2年、教育環境の整備により高まった「教育の質」

東京女学館小学校では、「高い品性を備え、人と社会に貢献する女性の育成」を目指し、「すずかけ」(日本の伝統文化を学ぶ)、「つばさ」(情報教育・体験学習)、「とびら」(国際理解・英語学習)という3つの特色ある教育活動を行っています。2028年度の創立100周年に向けた準備と、教育環境の整備による「教育の質」の向上について、校長の盛永裕一先生にお話を聞きました。

東京女学館小学校 校長 盛永裕一先生のお話
校長 盛永裕一先生

校長 盛永裕一先生

東京女学館小学校 校長 盛永裕一先生のお話

創立100周年に向けた準備

本校は1929年4月に、東京女学館小学科として誕生しました。創立100周年を迎える2028年度に向けて、記念式典や記念誌作成などの準備を進めています。特に、2000人規模で行う予定の記念式典は、本校にとって非常に大きなプロジェクトです。在校生が取り組むプログラムや卒業生によるプログラムなどもぜひ取り入れたいと思っているので、各教員からアイデアを出してもらいながら、分担して準備を進めていきます。

式典や記念誌の準備のほかに、校庭にある複合施設「わくわくキャッスル」を全面改築するための計画も進めています。子どもたちがわくわくしながら、滑り台やロープを渡り歩いたりする姿をイメージしながら、新しい総合遊具のデザインを考えているところです。子どもたちの学校生活がさらに充実するように、100周年を迎える2028年度までには完成させたいと考えています。

算数の授業で少人数指導を導入

本校では、特色ある教育活動に加えて、日頃の授業を充実させることにより、教育目標の具現化を目指しています。授業を充実させて「教育の質」をさらに向上させるために、教育環境の整備にも取り組んでいます。昨年度は、コンピュータールームを改築して壁全面をホワイトボードにし、部屋を分割できるようにパーテーションを設置しました。改築を機に名前も「Expo Room」と改め、英語の授業や算数の少人数指導、「つばさ」の授業などに活用しています。

昨年度、最も手ごたえを感じたのが6年生の算数で導入した少人数指導です。算数の授業を2分割するために、教員も1人増員しました。パーテーションで1クラスを2つに分けることで、きめ細やかな指導が可能になります。単元によって、苦手な分野なのでゆっくり学びたい児童と、速く進みたい児童に分けて指導できるようになりました。一方で、たくさん人数がいた方が、いろいろな考えが出て面白くなる単元もあります。そのような単元では、1クラスのまま教員が2人つき、1人がメインで授業を進め、もう1人はサポートが必要な児童をまわって個別指導を行うこともできるようになりました。チームティーチングによって、クラス単位で授業を進めながら少人数指導も行えるなど、より質の高い授業展開ができるようになったと実感しています。

本校では英語の授業は少人数に分割して行ってきましたが、「Expo Room」の改築を機に算数でも導入できました。ICTに関しても、タブレットのアプリを活用して子どもたち同士で活発な議論が行われるようになってきています。職員室に大きなモニターを2つ設置したことで、職員会議がスムーズになり、ペーパーレス化も進みました。会議に費やす時間を減らすなど、教員の働き方改革も進めています。

アフタースクール「プラターヌ」始動

昨年度から、本校独自のプログラムに取り組むアフタースクール「プラターヌ」がスタートしました。月額利用料をお支払いいただく形で、「STEAM」(火曜日)と「GLOBAL」(水曜日)をテーマにした活動にご参加いただけます。今年度から対象を増やし、1年生~4年生までの募集となりました。本校らしいプログラムにしたかったので準備に3年かかりましたが、時間をかけて検討した甲斐があり、業者と本校の教員が綿密に打ち合わせをしながら実施できています。そのため、本校の教育内容とアフタースクールの教育内容がしっかりとリンクしているのが大きな特徴です。学校の授業で取り組んだことがアフタースクールで活かされ、アフタースクールで取り組んだことが学校での教育活動に活かされるので、相乗効果が生まれています。

「STEAM」では、プログラミングや計算すごろく、空気鉄砲といった、算数の楽しさや理科の面白さが感じられるようなプログラムが用意されています。算数とサイエンスなどが融合した、「つばさ」にもつながる内容です。「GLOBAL」では、英語でやりとりしながら世界の楽器を紹介したり、ケニアやフランス、ブラジルなど、遊びを通して各国の文化を学んでいます。単なる英語塾ではなく「英語学習+国際理解」となるような、「とびら」にもつながるプログラムです。保護者のアフタースクール参観も行いましたが、「雰囲気がいい」という感想も多く、「英語に抵抗がなくなった」という声も聞かれました。子どもたちも楽しそうに取り組んでいるので、本校らしいプログラムが実現できたことを嬉しく思っています。

2025年に「ユネスコスクール」として認定

2025年4月、東京女学館小学校・中学校・高等学校は、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の理念を学校現場で実践する国際的なネットワーク「ASPnet (Associated Schools Network) 」の正式な加盟校、「ユネスコスクール」として認定されました。「ユネスコスクール」が重点的に取り組む3つの分野のうち、特に「異文化学習および文化の多様性と文化遺産の尊重」に関して、本校が長年取り組んできた「すずかけ」や「とびら」の活動が「ユネスコスクール」の理念と合致していると評価されています。これまで実践してきた「すずかけ」「とびら」「つばさ」の学習をこれまで以上に深めていくとともに、小学校と中学校・高等学校との連携がさらに高まっていくことにも期待しています。

2026年度から中学の国際学級が2クラスに増え、本校からの推薦枠も2倍になりました。中高は、ケンブリッジ国際認定校のネットワークにも加わっています。国際学級は2026年度の中学1年生から段階的にケンブリッジ国際教育のカリキュラムを導入していき、海外大学へ進学する道も開かれます。先日は、オーストラリアの日本企業から視察団が小学校に来校し、子どもたちの清掃活動に視点を当てて見学されました。清掃員が掃除を行う文化圏に住む現地採用の職員に、学校での清掃活動を通して書類の整理や机上整理の大切さを学んでもらうことが目的です。視察団の方たちは、子どもたちが清掃活動をしっかりと行えていることにたいへん驚いていました。このような経験も、国際理解につなげていきたいと考えています。

昨年ホームページをリニューアルし、子どもたちの学校生活を皆さんに知っていただきやすくなりました。「学校生活」のカテゴリーにある「給食」のページでは、メニューや食材の詳細を公開しています。栄養バランス、食材の産地やメーカー、子どもたちの感想などをご確認いただけます。トピックスの「校長室だより」では、行事だけでなく日々の授業なども紹介しているので、ぜひホームページをご覧ください。

取材協力

東京女学館小学校

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