取材レポート

ノートルダム学院小学校

主体性と思考力を育むノートルダム教育、徳育と知育のバランスの取れた児童の育成

キリスト教カトリックを基盤とする道徳教育を大切にしています。朝と帰りの時間、子どもたちが静かな気持ちで手を合わせるお祈りは、自ら考え、判断し、正しく行動できるように祈ります。これは、1954年の創立以来、大切にされているノートルダム学院小学校の変わらない伝統です。また、創立当初から英語教育を取り入れるなど、先取りの教育を実践してきました。
主体性や思考力など、これからの時代に必要とされる力を高めるための教育を新しいスタイルとして打ち出し、今、学校全体で変化が始まっています。

折しも新型コロナウイルス感染防止のために休校措置が取られていた4月1日より、校長に就任した原山稔郎校長先生。着任直後から、先生方と奔走した休業中の対策について、またこれからのノートルダム教育についてお話を伺いました。

ノートルダム学院小学校 校長 原山稔郎先生 のお話
原山稔郎校長先生

原山稔郎校長先生

ノートルダム学院小学校 校長 原山稔郎先生 のお話

スピード感を持って構築したオンライン授業システム

この4月は新型コロナウイルス感染予防のため、4月8日に入学式は行われましたが、完全休校となりました。着任後、すぐに原山校長先生は各先生方に協力を仰ぎ、オンライン授業の準備をスタートさせます。4月第2週からはまず、今までに校内で使用していた授業支援システム「ロイロノート」を活用して、課題の配信を実施。子どもたちから、課題に関して返信もできるようにしました。その間に、各学年団、教科の先生方はオンラインで配信するための授業動画の制作をスタートし、4月第3週からは各学年で動画によるオンデマンド授業の配信が始まりました。学校側は先生方がオリジナル授業動画の制作に奮闘するのと並行して、ライブ授業ができるシステムも整え、4月第4週には、子どもたちが家庭から参加できるライブ形式でオンライン授業がスタートしました。

お話を伺ったのは京都での緊急事態宣言が解除され、休校が終了する5月下旬でしたが、週5日午前中を活用して行う1日3コマのライブ授業のスタイルは定着していました。ゴールデンウィーク前にライブ授業まで配信できるように準備するには、相当のスピード感が必要だったそうで、各先生方が趣向を凝らし、取り組まれました。またライブ授業のほかに、先生方が制作した配信用授業動画は約200本にものぼるとのこと。授業動画の制作は先生方にとっても初めてのチャレンジ。先生方の手作り動画は、熱意の賜物だと感じられました。

一方、オンライン授業を運用するためのハード面ですが、ノートルダム学院小学校では、もともと4年生の秋に一人1台タブレットが渡され授業で活用するようになるため、4月の時点では新5、6年生はマイタブレットを持っていました。新4年生はゴールデンウイーク明けに配布する予定だったタブレットを前倒しして配布。休校期間中に自宅でのオンライン学習に使えるようになりました。また新3年生についても7月に配布を予定し、今後のオンライン学習に慣れていけるようサポートしていくそうです。

原山校長先生は「新型コロナウイルス対策に答えはまだありませんが、今後への備えができました。対面授業が今後も継続できることがベストですが、本校のICT教育に関するスキルの幅が広がり向上しました。オンライン授業システムは今後も大切に運用していきたいと思います」と話し、先生方の努力をねぎらわれていました。
オンライン授業

オンライン授業

オンライン授業

オンライン授業

タブレット授業

タブレット授業

新しいスタイルで「ノートルダム教育」を展開

本年度より学習指導要領が変更され、グローバル化し、複雑化する社会を生き抜ける力の教育が求められるようになりました。ノートルダム学院小学校では子どもたちがより主体的に学び、社会をたくましく生きる力をつけるための取り組みが盛んです。今回はノートルダム教育の「思考力」「英語力」「体験・行動力」の3つの学びの柱を紹介します。

「思考力」の育成では、基礎学力の徹底はもちろん、知識をいかに活用できるかを重視。子どもたちが積極的に探究し、自らの考えを持つことを大切にしています。その考えをもとにグループでディスカッションしたり、全体でプレゼンテーションしたり、問いへ多角的にアプローチして総合的な思考力の獲得を目指します。教科担任制で専門性を高め、1つのテーマに対して教科を横断して授業を展開するなど子どもたちが主体的に授業に取り組めるよう随所に工夫を凝らし、思考力を育みます。また、前述の通り4年生からは一人に1台iPadを配布。文房具感覚でタブレットを授業へ取り入れ、情報収集や意見収集など、目的を持って活用することもすでに定着しています。

次に「英語力」ですが、同校では創立以来「英語のノートルダム」といわれる先進的な取り組みを積み重ねてきました。「聞く・読む・話す・書く」の4技能の獲得をベースにしながら、コミュニケーションツールとして言語能力を高める教育が実践されています。授業はネイティブ教員と英語専科教員の2人体制でほぼ英語のみで進められ、そこに担任教員も関わって、子どもたちが積極的に参加できるようサポートしています。また全学年で授業以外でも英語に触れられる「English Everyday Program」を実施。絵本や物語の読み聞かせや短時間学習を活用した発声レッスンなど、学校生活の中で自然に英語に触れられる機会が組み込まれています。

そして3つ目の柱は「体験・行動力」です。経験によって知識を本物の生きた知としてくれる体験や活動が多く用意されています。1年生では茶道を軸とした礼法の学習がスタートします。集大成として開かれるお茶会は、例年、保護者を招き、大変喜ばれています。新型コロナウイルスの影響もあって、2020年度は未定とのことでしたが、先生方がまた持ち前の創造力で多彩な経験を準備してくださることでしょう。

最後にこれらの「学びの原点」となるのが、人と向き合い他者を理解するための「思いやり」と、原山校長先生はノートルダム教育をまとめられました。主体的な姿勢と他者を思いやるやさしさを持って成長する子どもが、まさに現状のような予測不能な「変化する社会」の中でも翻弄されずに、凛とした存在感を発揮してくれると話してくださいました。
プレゼンテーション

プレゼンテーション

英語授業

英語授業

礼法学習

礼法学習

授業風景

授業風景

1年生はとくに手厚くサポート

この度の休校期間中、4月8日の入学式以降、登校できていなかった新入生は、とくに気がかりだったという原山校長先生。小学校への希望が不安に変わらないよう、登校が始まってからは、とくに手厚く生活支援や学びのサポートを実施すると話されました。またノートルダム学院小学校では伝統的に「パートナー制度」があり、6年生がパートナーとなって、1年生の生活をサポートします。学校の家族として、また学習や遊び方、友達づくりの模範として、1年生は6年生を頼りにします。このパートナーは、たとえばノートルダム女学院へ進学した場合などでは、長く先輩後輩の関係が続いていくこともあるそうです。新入生や保護者にとって安心できる環境だと感じました。
授業風景

授業風景

まとめ

2019年の取材時にはノートルダムイングリッシュとして、英語教育を中心に取材を行い、紹介させていただきましたが、この度、ノートルダム教育として「徳育と知育」のバランスのとれた全体像についてお聞きしました。今、「徳育と知育」のバランスを思考力に特化して打ち出しており、4月には地元新聞や地下鉄・バスへ広告を展開し、メッセージを発信しました。この時、使われたのが実際に授業で使用した問いです。「信号の3色に1色追加するとすれば、何色にしますか? それはなぜですか?」「手元に千円あります。たくさんの人を笑顔にする方法を教えてください」というもの。このメッセージが話題となり、地元新聞のコラムに取り上げられました。「人が変われば、世界が変わる」はノートルダム学院小学校の創立者の言葉ですが、原山校長先生は「教師が変われば、学校が変わる」をご自身のモットーとして、学校運営への意気込みを語ってくださいました。

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