取材レポート

星野学園小学校

星野学園小学校「第3回入試説明会」 「全人教育」を軸に「豊かな人間性」を育む

星野学園では、同一キャンパスにある小・中・高で「全人教育(リベラルアーツ)」という教育理念を共有し、豊かな教養を身につけると共に、人を思いやる心や、社会で自立できる力を育成しています。2019年6月22日に星野学園小学校にて開催された、「第3回入試説明会」を取材しました。

星野学園小学校 第3回入試説明会(2019年6月22日)
箏曲の発表(2年生による『ちょうちょ』の演奏)
星野誠校長先生の挨拶
高校内進生によるプレゼンテーション
小学校プレゼンテーション(教育方針・学校概要)
入学試験(2020年度入試と過去問解説)
星野キッズ(アフタースクール)&公開授業

箏曲の発表(2年生による『ちょうちょ』の演奏)

星野学園小学校の入試説明会では、在校生や中高生が学校の魅力を伝えるプログラムが用意されており、来校者のアンケートなどを参考に、毎回異なる内容で実施されています。第3回入試説明会は、2年生による箏曲の発表からスタートしました。
同校の教育を支える3つの柱の1つ「情操教育」の一環として、1年生から3年生まで箏曲を学びます。この日演奏したのは、2年生になってから練習を始めたという『ちょうちょ』。演奏が終わると、「文化祭では、今練習している『虫の声』を2年生全員で演奏します。新しい技にも挑戦しているので、ぜひ聞きにいらしてください」と元気に挨拶をして発表を締めくくりました。
子どもたちが演奏した琴をセッティングしたのは中学生です。小・中・高の建物が連絡通路でつながっており、様々な場面で中高生と小学生の交流が生まれます。

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星野誠校長先生の挨拶

星野誠校長先生は、教育の軸となっている「全人教育」について触れながら、チャレンジすることの大切さなどを語りました。「全人教育」とは、古くから欧米で理想的とされてきた「リベラルアーツ」という考え方。与えられた知識や技能に偏ることなく、自ら深く考えられるように、自由で、柔軟で、自立した人間を育てる「教養教育」が同校の教育理念となっています。小学校創立は2007年とまだ新しいですが、学園の創立は1897年。長きにわたり変わることのない教育理念がある一方で、やさしい心や体力づくりを支える最新の施設や環境を整えています。
「本校には、楽しく友達と交わり、感性を育てるための環境が整っています。体育の授業などで使う全天候型の星野ドームは、一般的な運動場より約3度気温が下がるとのことで、熱中症の予防にも配慮して作られました。最近はプールのない小学校も増えていますが、本校では低学年でも安全に泳げるように床可動式の温水プールとなっています」
星野校長先生は、結果主義にならず、チャレンジすることを大切にしたいとも語っていました。
「一人ひとりが素晴らしい才能の持ち主ですが、人と比べれば、オリンピックでメダルを取れるのは一人だけです。本校でもクラブ活動などを頑張っていますが、結果主義にならないことが大切だと考えています。大人になると結果が大事になることもありますが、学校生活の中ではチャレンジをすることが重要です。誰にでも、その人にしかない可能性や素晴らしさが備わっています。多様な生き方ができる時代となって、活躍の場は無限にあり、『その人でなければ』という出番がきっとあるはずです。結果主義にならず、子どもたちがチャレンジしようとする気持ちを尊重していくことが大切だと思います」

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高校内進生によるプレゼンテーション

星野学園小学校の2期生であり、現在、高校3年生のYさん。理数選抜コースで難関国公立大学を目指しているYさんが、11年間の学校生活を通して感じた星野学園の魅力を伝えました。 Yさんは、自身の小学校受験についてふり返り、受検勉強が苦だった記憶はあまりない と語っています。
「家のまわりを散歩したり、季節ごとの野菜を買ったり、なぜだろうと思ったことを母と一緒に調べるなど、日常生活の中で実践して学んでいく工夫を両親がしてくれました。そして、節分の日には柊とイワシ、七夕の笹やお月見のススキなどを持ってきてくれた祖父のおかげだと思います。物語を読むのが好きなので、寝る前に母と名作選を読むのが楽しかったです。様々なことに興味を持ち、調べて自分自身で体感して学ぶという姿勢は、星野学園でも大切にされています」
Yさんは、富士山トレッキングや京都・奈良での伝統文化体験、ニュージーランドへの修学旅行など、これまでの思い出をスライドで紹介。そして、「自分自身で体感することにより、紙の上で学ぶ以上に学びが自分の物になっていく感覚は、とても楽しかったです」と語っていました。
現在Yさんが学んでいる理数選抜コースは、主に難関国公立大学を目指すコースです。内部進学生のみで構成され、3年間クラス替えがありません。中学から連携して、無駄のないカリキュラムで先取り学習を行い、2年次までにほとんどの内容を終えられるので、演習時間を多く取ることができます。同じクラスの中で理系と文系に分かれるので、国公立大学の受験に必要な科目を勉強していく中で、苦手な科目を教え合ったり、高い目標を目指す仲間と切磋琢磨しているというYさん。中学・高校ともに、塾には通っていないそうです。
「星野学園は、熱意あふれる先生方も大きな魅力です。最近、受験科目に悩んでいたのですが、中学生のときからお世話になっている先生に相談したら、それぞれのメリットとデメリットを丁寧に提示して、一緒に考えてくれました。今でも、小学生のときにお世話になった先生に質問をしに行くこともあり、中学の先生もいつも気にかけてくれています。星野学園には『真面目がカッコイイ』と言う言葉があり、何事にも一生懸命に取り組める環境です。一生懸命に取り組むことを決して否定せず、先生も一生懸命になってくれています」
最後に、将来の夢について語りました。
「私には、看護師になるという夢があります。平成という時代には多くの災害を経験し、そのたびに、わずかな額の募金しかできない自分の無力さを痛感しました。看護師を目指すようになったのは、学ぶことで少しでも誰かの力になれる、無力じゃない自分になりたいと思ったことがきっかけです。人と関わるのがあまり得意ではない自分が、看護師になるという夢を持つことができたのは、何事にも全力に取り組む環境で学ぶことができたからだと思います。人と関わることの難しさを感じるとともに、それ以上の楽しさを体感することができました。受験に向けて、そして卒業した後も、その姿勢を忘れずに学び続けていきたいです」

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小学校プレゼンテーション(教育方針・学校概要)

教育方針や学校概要について、スライドで紹介されました。
同校が育てたい児童像は、「よく考え進んで学ぶ子ども」「明るく健康な子ども」「広いこころをもち、思いやりのある子ども」「礼儀正しく、あいさつのしっかりできる子ども」。教育の軸となる「全人教育」を実現するために、豊かな心と体を育てる「情操教育」、わかる授業を追求して子どもの興味や関心を引き出す「学力養成教育」、ネイティブ教員とふれあい、日本の文化を知った上で国際人としてのコミュニケーション力を育む「英語教育」という3つの柱を掲げています。
「英語教育」では、ネイティブ教員による授業で生きた英語を学びます。6年生になると、中・高の英語教員による文法の授業も展開。ニュージーランド修学旅行を中心に、様々な異文化体験も積極的に行っています。
「情操教育」では、1年~3年の箏曲、プロを招いての芸術鑑賞会、剣道など、本物に触れる機会を通して豊かな心を育て、将来、自主的に世界で活躍できるバランスの取れた人材育成を目指します。
「学力養成教育」については、算数と英語について詳しく説明されました。算数の授業では、答えへの道筋が1つでないことを理解し、多様な方向で問題を解決する力を育成。英語の授業では、1年生からネイティブ教員の授業があり、英語がわかるだけで満足するのではなく、使えるようになることを目指しています。一貫校のメリットを活かし、中学校と連携しながらカリキュラムを作成。学習成果を確認するために、漢字検定、英語検定、数学検定の取得も後押ししています。

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入学試験(2020年度入試と過去問解説)

2020年度入学試験に向けて、募集要項や出題傾向についての説明がありました。試験の内容は、面接試験(本人と保護者同伴)、ペーパーテスト、運動テスト(走る、跳ぶ、支える等)、制作テスト(指示制作)、行動観察テスト(指示行動)の5種類。
ペーパーテストでは「記憶」(900文字程度のお話の記憶)、「数量」(積み木の数、多少比較、セットの数・余り・分割など)、「言語」(音の数、しりとり、始めの音と終わりの音など)、「推理」(四方観察、切り抜き、条件迷路、位置移動など)、「比較」(地図を使った長さ、シーソー、水の量、重さ比べなど)、「図形」(同図形、図形の分割、回転図形など)、「常識」(野菜・果物・行事などの仲間分け、公共機関や公共交通機関でのマナーなど)となっていて、それぞれについて過去問題の一部を取り上げながら解説。広く浅く、いろいろな分野から幅広く出題されているのが特徴です。
「運動テスト」は、ケンパー、ゴム跳び、雑巾がけなど、5種目程度の連続運動。投げる動作は入りません。口頭での説明と動きの見本を見せてから、試験がスタートします。「制作テスト(指示制作)」と「行動観察テスト(指示行動)」はセットで行われ、紙、のり、はさみなどで工作をしたり、クーピーで絵を描き、それを使って友達と仲良く遊べるかを見ます。

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星野キッズ(アフタースクール)&公開授業

説明会の最後に、「星野キッズ」(アフタースクール)の説明がありました。「星野キッズ」では、「宿題をやり切る」「読書習慣」「異学年交流」という3つの柱を大切にしながら、子どもたちに有意義な放課後を用意しています。1年生の約半数が「星野キッズ」を利用しています。
説明会中には、「星野キッズ」スタッフによる託児が行われました。保護者が説明会に参加している間、子どもたちは、底に穴のあいた紙コップに飾りをつけてアルミホイルをつけた「声がわりマスク」を制作。その後、フラフープリレーをして遊び、スタッフによる『はらぺこあおむし』や『からすのパン屋さん』などの読み聞かせも行われました。
説明会が終わった後は、4年生~6年生の公開授業を見学。星野ドームではダンスの授業(4年)、理科室では「電気のはたらき」の授業(4年)、教室では「ひと針に思いを込めて(家庭科)」の授業(5年)などが行われていました。
また、多目的ホールでは、質問コーナーが設置され、来校者からの入試や学校生活に関する質問に個別対応していました。

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取材協力

星野学園小学校

〒350-0826 埼玉県川越市上寺山216-1   地図

TEL:049-227-5588

FAX:049-227-1888

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